8月13日は、前日合流した埼玉の友人と長野県の昼神温泉で朝を迎えた。
そして近くのコンビニで日釣り券を買い、向かったのが阿知川支流の黒川出合いだ。
黒川分岐点からスタート
駐車帯に車を止め、スロープから川岸へと近づいていくと、幾分水位は高めだが釣りに支障はない。
いや、むしろ好条件ではないかと思えた。
最初の数百mは中洲によって流れが分けられ、私は右岸、友人は主流の左岸を進む。
早速『i FISH 5SFT(ウグイ)/フォレスト』をキャストすると、手のひらサイズのイワナっぽいチェイスが何度もあった。
しかしその勢いは「食う」感じではなく神経質で、なかには着水と同時に逃げる魚影もいる。
人気区間特有のプレッシャーのかかり具合が分かり嫌な予感があったものの、この日は後追いではないため先に進むことを友人と相談して決めた。
そして初めて現れた深みのある大場所で友人、私ともにアマゴらしい銀影をバラシ。
活性というか、些細な反応に少しばかりの原動力を得てさらに奥へと歩いていった。
黒川の奥地へ
友人を先行に釣り上るなか、魚影の少なさを不思議に思った私は瀬に踏み込み、振り返ってダウンにアイフィッシュをキャストする。
そして下流の深瀬でネチネチとミノーを動かし続けてみた。
すると流芯から歩く左岸側に外れた直後、明確なアタリが出る。
慎重に寄せたのは22cmのイワナだ。
これを機に波動を大きくミノーをアピールし、できるだけ長く定位させようとダウンクロスで撃っていく。
先行する友人はアップクロスの展開だから、どちらかに結果は出るだろうと思ったが、後半は抜群の渓相になっても反応は渋く、追加する釣果のないまま退渓ポイントに到着した。
阿智川を下って本谷川、再び上流の清内路川へ
長い距離を歩いて車に戻り、遅い朝飯を補充したところで本谷川へと移動する。
選択したのは、中央道から下流方面への釣り下りだ。
ここも友人先行で行くが、それが違った意味でプレッシャーになってはいけないとも考え、左岸テトラ帯の所で先行させてもらう。
するとその2投目、岸際から現れたイワナ18cmがミノーにヒット。
しかし、彼の狙いはアマゴ。
その後も徹底的に愛用のミノーを流れに絡ませ、誘う。
だが、有望なチェイスを目にすることなく、再び車で清内路川へと移動を始めた。
奇妙な狙い方に衝撃
そして現地到着して早々にチェイスを確認すると、私は岸際に沈んだ石を指差し、このエゴにイワナがよくいるからシンキングミノーを脇に落としゴソゴソと動かしてみて、と教える。
半信半疑の友人が言われるままにミノーを落とすと、アクション前に黒い影が石の下から出てきた。
その反応に驚く友人がいったんピックアップしてもう一度落とすと、今度はゴソゴソさせていたミノーが石の下に消えた。
しかし、友人に動きはない。
だから「食ってるよ」と伝えると、アワせたロッドに魚信が走った。
サイズは20cm弱だったが、奇妙なやり方での初ヒットは相当な衝撃を彼に与えたようで、その後の足取りは軽快そのものだ。
色濃いボサへも突入していく勢いだったからそれは回避して川から上がり、護岸沿いを歩いて開けた区間に再入渓する。
落ち込みのカタ付近では2匹の猛チェイスのうち1匹がヒットし、さらのその上流では良型アマゴのチェイスが分かったと、友人にようやく昼神周辺の渓を楽しんでもらい安堵する私だった。
そして遠山へ流れていく途中は阿智村役場近くの本流に立ち寄り、友人はイワナ2匹を追加。
到着した遠山郷かぐらの湯では遠山ジンギスとともに酒と談笑で時間が過ぎ、結果的には充実の一日として終わったのだった。
<週刊つりニュース中部版 APC・永田幹夫/TSURINEWS編>