「海釣りは八十八夜から」と言われるように磯の底物釣りも5月の声を聞けば、いよいよ本格的なイシダイシーズンをとなり、7月いっぱいまでが狙い目だ。そこで、京阪神から釣行の容易な和歌山県下のイシダイ釣り場を3カ所ピックアップしてみた。
日高郡由良町:大引
大阪から1時間半で出かけることができる超近場のイシダイ釣り場だ。近いだけに上底物釣りともに、いつも釣り人が多い所でもある。
釣り人の数が多いだけによくエサが入るせいか魚も実に多い。多くの底物場を有する大引だが、今回は昨秋によく釣れた「ヒジキ島東の鼻」にスポットを当ててみた。
ヒジキ島東のハナ
秋磯のイメージの強いポイントだが、春もなかなかよく釣れる所だ。中紀特有の中小型が中心になるが、以前、5月に2ケタ近いイシダイを釣り上げて楽しませてもらった思い出がある。
まず、この磯は上り潮(満ち潮)下り潮(引き潮)ともに狙える点が強みだ。どちらかといえば下りの時のほうが潮の流れが緩やかで釣り易い。上り潮は流れが速いので動き始めの短時間が狙い目となる。
比較的浅いポイントなので、リールのカウンター30m前後のところでアタリが多い。ヒラバエ向きと前方に見えるアリ島の東端向きでよくアタる。ここでアタリの出ないときは港向きで釣れたということもある。
大引ではイシダイのアタリが多い磯なので、初心者の方も自信をもって狙ってみたい。
上野渡船
西牟婁郡白浜町・伊古木
白浜町・伊古木は枯木灘の中でも早くからイシダイのアタリが見られる。
狙いの磯はずばり「沖の瀬島」。イシダイ師なら誰もが狙う名礁だ。沖に位置しているので波には弱い。単独では渡れないが、お天気さえ良ければ、いつもかならず誰かがサオを出している。
この磯は上り潮が狙い目だ。前日までの潮の流れに注意して狙ってみたい。大型のイシダイが当たるので仕掛けを入れたらサオ先から目を離さないように。私も以前5月に磯へ上がっての第1投目に、ほんの少し目を離したすきにサオが磯にへばりついた。そしてドラグを締めすぎていたため、瞬時にワイヤーを飛ばされてしまった失敗がある。
ポイントは「コブ」と呼ばれている小さな出っ張りの前とコブの根元の東側。ポイントはコブの正面20mのところ。根元のところから上り潮にのせてコブの際16mのところでよく当たる。だいぶ前になるがコブのところで68cmの大型を手にさせてもらったことがある。
小出渡船
西牟婁郡すさみ町・周参見
すさみ町・周参見は、ここ数年多発している上り潮に威力を発揮する磯が多い。中でも一番沖に位置している「エビ島」が一番の狙い目だ。
イシダイのポイントは沖向きの南側、お椀をひっくり返したように高くなった所だ。25~30mがポイント。上り潮が速いと根掛かりが多い。磯際15mの近場でアタリが出ることもある。
岩元渡船
アクセスしやすいオススメの釣り場を3つ紹介しました。これ以外にも和歌山にはイシダイオススメ釣り場がまだまだあります。ぜひ釣行計画の参考にしてみてください。
<木村俊一/TSURINEWS・WEBライター>