世間ではお花見の話題が取りざたされる時期だが、キャスターの間では花見カレイの話題で持ちきりとなるのが春という季節だ。今回は、カレイの投げ釣りをピックアップした。解説はこの釣りのエキスパート・奥野太郎さん。初心者が知りたい投げカレイのあれこれを解説してもらったので、ぜひ参考にフィールドへ出かけてほしい。
花見カレイ=戻りカレイ
桃の節句を過ぎると寒い冬も終わりを告げ、待ち遠しかった春の訪れを実感できるようになる。投げ釣り師にとってはいよいよ「花見カレイ」のシーズン到来だ!
様々な生き物が気温の上昇とともに元気を取り戻し、釣り人の気分もおのずと盛り上がってくる。
「花見カレイ」とは、晩秋から冬にかけて繁殖行動(産卵)を終えたカレイ(マコガレイ)が、高水温期に深場に戻る前に体力を蓄えるため、エサを求めて活性が上がり再び釣期を迎えるのだが、これがちょうどサクラが咲く花見のシーズンと重なることからそう呼ばれるようになり、「戻りカレイ」とも言われる。
秋から初冬の乗っ込みシーズンと違って抱卵はしてないが、その分、栄養が行き渡り、4月から5月初旬に釣れる良型は刺し身で頂くと白身ながら脂が乗って甘味があり、味が濃厚で絶品!釣って食べたことがある人ならきっと「うんうん」とうなずいて頂けると思う。
ヒラメと違い養殖が行われていないマコガレイをたん能できるのは、まさに釣り人の特権だ。
花見カレイ用タックル
サオ
では、そんなカレイを狙うためのタックルだが、サオは標準的に4.05~4.25mのオモリ負荷30号前後の投げ専用ロッドで、並継ぎより振り出しザオの方がセッティングや収納において使いやすく便利だ。
リール
リールはできればドラグ付き投げ専用スピニングリールがいいだろう。理由は、カレイだけならノンドラグでも対応可能だと思うが、コブダイやスズキ、場所によっては小型のサメなどが食ってくることがあるため。この場合サオが飛ばされてしまうので、ドラグを緩めてアタリを待つやり方の方が無難だからだ。
ミチイト
ミチイトはナイロンなら3~5号+テーパーライン(5~12号15mなど)、PEなら2~3号+テーパーラインまたはチカライト(PE6号など)がいいだろう。ポイントによっては足元の超近投で狙うこともあるので、その時はナイロン5号、あるいはPE4~5号通しなどでもまず問題ない。
ナイロンはある程度伸びてクッションの役割をしてくれるので、もしドラグ付きのリールがない場合は、ナイロンを使う方がいいだろう。しかし伸びる分感度は落ちてしまうので、オモリが着底した感覚やアタリは取りにくくなる。その点PEはほとんど伸びがないので感度は抜群にいいが、根ズレなどのこすれに弱いのと、ナイロンに比べ多少割高になる(昔に比べるとずいぶんリーズナブルになったが…)。
ちなみに私は、4.25mオモリ負荷33号の振り出し投げ専用ロッドと、ドラグ付き専用スピニングリールにPE3号200m+ナイロンテーパーライン(5~12号・15m)を使用している。
テンビン仕掛け
テンビンはサオのオモリ負荷相当の遊動式L型テンビンで、仕掛けはモトス8号(3本よりスナズリ付き)にハリス・エダスともにフロロ5号で、ハリはビッグサーフ13~14号などの2本バリ仕様を基本とする。
なお、仕掛けを作るのが面倒な場合は、市販の仕掛けでも十分大物に対応できるものが出ているので、それらを活用するのも一手だ。