わずか100万分の1秒でアニサキスを殺虫する技術が開発される 量産化に期待!

わずか100万分の1秒でアニサキスを殺虫する技術が開発される 量産化に期待!

日本人の不倶戴天の敵・アニサキス。その「殺虫装置」がついに身近なものになるかもしれません。

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熊本大学が「アニサキス殺虫器」を開発

刺身や寿司など魚の生食が大好きな日本人にとって、もっとも恐ろしい相手は寄生虫アニサキスでしょう。魚の筋肉中に潜り込んでいるこの寄生虫をヒトが飲み込んでしまうと胃腸の中で大暴れし、耐え難い激痛をもたらします。

わずか100万分の1秒でアニサキスを殺虫する技術が開発される 量産化に期待!切り身に潜むアニサキス(提供:PhotoAC)

加熱や冷凍によってアニサキスは殺虫できますが、食感や風味も失われてしまうために二の足を踏んでしまいます。しかしそんな我々の前に救世主が現れるかもしません。

その救世主とは「アニサキス殺虫装置」。熊本大学などのグループが開発したこの装置は、高電圧を魚の筋肉に通すことでアニサキスを殺虫することができるのだそうです。

「電磁パルス」が秘訣

このアニサキス殺虫装置は、ただ「筋肉に電気を通す」装置というわけではありません。生の魚に普通に電気を通しても、電気抵抗によって熱が発生し生魚ではなくなってしまいます。

この装置では、30,000ボルトもの超高電圧を、100万分の1秒のような「ごく一瞬だけ」魚の筋肉に通します。「電磁パルス」というこの技術は、生魚に火を通すことなくアニサキスだけをピンポイントで殺すことができるのだそうです。

わずか100万分の1秒でアニサキスを殺虫する技術が開発される 量産化に期待!殺虫されたアニサキス(提供:PhotoAC)

これまでアニサキスは加熱を除けば「冷凍」することでしか殺虫できないとされていました。どんなに高い技術で処置したものであっても、一度冷凍すると刺身の味には大きな影響がでてしまいます。パルスパワーでの殺虫技術があれば、生魚本来の味わいをリスクなく楽しめるようになるのです。

量産化に期待!

そんな夢の機械であるアニサキス殺虫装置ですが、もちろんネックもあります。それは高価なこと。

現時点では一機あたり1,000万円以上と高価で、我々一般庶民はもちろん、鮮魚店や料理店で導入するにもハードルが高い状態です。ただこれも量産化やより一層の小型化で安価にしていくことができると思うので、期待が高まります。

わずか100万分の1秒でアニサキスを殺虫する技術が開発される 量産化に期待!サバの生食もより一般的に(提供:PhotoAC)

海外で生魚料理が敬遠される大きな理由のひとつにアニサキスがあるそうです。国によっては冷凍処置を義務化しているところもあり、これでは真の生魚の味わいを楽しむことはできません。アニサキス殺虫装置が一般化することで、世界中に「和食の真の美味しさ」が伝わることになるかもしれません。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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