厳寒期、意外とテクニカルなイサキ釣り。志摩の脂ノリノリの越冬イサキが好釣。30~35cmの良型の数釣り40匹超、良型マダイもヒットした。
脂ノリノリ越冬イサキ
毎年2月前半は特に釣り物が少ない。メバルやカサゴは産卵明けで、盛期のヤリイカは釣行日とナギがうまくリンクしなければ、釣りをすることさえかなわない。
「何かワクワクするモンないかな~。」と思案していたところ、某釣具店の店長・村上女史より激アツなタレコミが…。
「峯さん、志摩の脂ノリノリ越冬イサキが炸裂中ですよ。」
「早く言えよ。それ行こ。」と急ぎメンバーを集めて、三重県志摩市の神明漁港から出船しているむさし丸にて、厳寒期のイサキ釣りを楽しんできた。
むさし丸にて出船
2月5日、初めてお世話になる船なので、早めに到着して仲間たちと出船場所で待っていると、1台の軽バンがやって来た。
何しろ、船の屋号が「むさし丸」。私たちは、勝手に野太い声のイカつい大男を想像して緊張しながらあいさつへ向かうと、口調も穏やかで優しい船長が笑顔で迎えてくれた。私たちのようなポンコツにとって、船長との相性は最重要だ。
楽しい釣りができそうだと胸をなで下ろし、ナギの海へ向かう。恥ずかしながら私は2月にイサキを釣った経験がなかったので、ポイントに向かう最中で盛期との違いや釣り方を船長に教わる。
厳寒期のイサキ釣り方
コマセに突っ込んでくるような高活性ではないのでハリスは長め、ハリ数も3本、4本は必要ない。ハリもスキンやウイリーではなく、空バリにきちんとオキアミを付けた方がいいとのこと。
誘いも小まめに掛けてエサを動かしてあげると、口を使ってくるイサキも増えるとのことだった。
これだけ聞けば、私だけ爆釣。おまけに、持参した仕掛けの中から良さげなモノを船長にこっそり選んでもらったので、もう完璧。
コソコソと自分の釣り座へ戻ろうと振り返ると、友人たちも同じ仕掛けを手にニヤニヤと立っている。しまった、奥義の抜け駆け失敗だ。
「盗み聞きすんじゃね~よ」、「こっそり抜け駆けすんじゃね~よ」と、果てしなくレベルの低い言い争いをしているうち、船はポイントへ到着。コマセと付けエサ共用のオキアミが配られた。
一投目から30cm級ヒット!
「やってみて~。水深35m。20mから上で釣ってね~。よく映ってるから、すぐ食うと思うよ。」越冬イサキとの言葉に、深場でブルブル震えてるイサキを釣るモンだと想像していたが、手巻きリールでいける水深だ。
半信半疑で25mまで落としてから5mタナを返し、6mのハリスがなじんだ頃合いでゆっくりコマセを振る。ス~ッとロッドを起こしていくと、本当に1投目からココンとアタってきた。
イサキかと勘繰りたくなる小さなアタリだったが、上げる時の重量感はエサ取りではない。取り込んだのは30cmほどの美しいイサキ。丸々と太り、体高や身の厚みは盛期と何ら遜色ない。
船中連発劇スタート!
2投目も連続してイサキが食ってくる。
船長の言う通りにダブルはほとんどなく、必ずと言っていいほどに下バリで食ってくる。村上店長ら友人たちもキャッ、キャとはしゃぎながら、次々とイケスに放り込んでいる。
1人蚊帳の外なのが河井さん。見かねた船長から1本バリ仕掛けを渡され、釣り方も教わってからはハイペースで掛けていった。
40cmオーバーこそ姿を見せないものの、計ったように30~35cmの良型がそろい、ポロポロとこぼれるコマセにうまく付けエサを同調させ、1匹ずつ抜いていくというのは想像以上に釣趣があってテクニカルだ。
マダイへ浮気?
あまりにも釣れ過ぎ、駄々をこねてマダイ釣りに浮気した揚げ句に玉砕して、恥知らずにもイサキに戻ってと懇願するなど、ポンコツ軍団の無礼にも船長は嫌な顔を見せずにかなえてくれた。