リールのレベルは一度上げてしまうと次に下げにくい。更新機種が出ると、ふつうはそれを購入してしまうものだ。しかし当然ながらリールのレベルそのものの底上げが常に行われるわけで、エントリークラスの実力も高くなってくる。今回は筆者の考えで、「あえて」2500番リールを下位機種に、すなわちダウングレードしてみた。結果は正解だった。次のリールをどうするか、参考にしてほしい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
リールをダウングレード
スピニングリールの2500番をミドルハイクラスから、エントリーモデルにチェンジした。2020年製のミドルハイから、2023年のエントリーモデルに。
価格差は2万5000円となかなかのものだ。ただこれはあまり深く考えないほうがいい。気に入ったリールを買えば、それくらいの額は精神面ですぐにペイするし、実釣時の質を見ると桁違いだろう。
そんな中、「あえて」エントリーモデルにダウングレードしたのは、ライトゲームアングラーの筆者がほとんど2500番リールを使わないからだ。ましてエクストラハイギアの「巻き取りすぎ感」は、持て余していた。ミドルハイのモデルはすでに新製品がリリースされたが、まだリセールもいい。今が判断の時だと思って、決行した。
最新エントリーモデル恐るべし
機種名は20ルビアスと23レガリスである。ミドルハイ、エントリーモデル。いずれもこのメーカーの象徴的な製品として有名だ。ギアは、エクストラハイギアからノーマルギアに変更。これは、エギングに入門しようと思ったからだ。
スペック面でいえば、次のような違いがある。
・ハイギア→ローギアに(筆者の選択によるもの)
・本体自重175g→190g
・ドラグが最新性能になった
・シャロースプールからディープスプールに
・ベアリング9個→6個
自重とベアリング数では、さすがに前モデルにさえ負ける。ただドラグはむしろ最新のものになったりと、このあたりは惜しげもなく先端技術が注がれている。
ちなみに筆者は個体差でミドルハイもエントリーモデルも、メーカーの標準自重より少々重たいものを引いてしまっていた。しかし、ディープスプールが気になったのでシャロースプールの互換品をつけたところ、3g軽くなった。やったー。すごい。
買い替えの理由
さて、買い替えに踏み切った理由は、次のような点からだ。
重いリールの方がバランスがとりやすい
このリールと組み合わせるのは80gのライトゲーム遠投ロッドなのだが、こいつがどうしても軽量すぎるリールだと先重りしてしまう。15gほど重くする方がいいのではないかと思った。軽量化が命という風潮があるが、手元重心となるようバランスはよく考えたい。
スペックが必要十分すぎる
ダウングレードしても性能が落ちない。ベアリングの数が違うだけだと筆者は個人的に思った。またこのレガリスというモデルの進化が著しいこともある。何せ最新のドラグがこの価格でチェックできるのだから、釣りに出掛けようという気持ちも大きくなるはずだ。
ギアをかえてみたかった
このリールでやるのはタチウオワインド、スーパーライトショアジギング。それならばハイギアでいいのだが、ここにエギングやパワーフィネスのロックフィッシュを足そうと思うと、ノーマルギアがいいかもしれない。併用性を考えて、ギアをかえてみたかったのだ。
フルベアリングはやりすぎ?
あえてのダウングレードを勧めようというつもりはないが、皆さんもリールのスペックの過剰さに「使い切れていないかも」と思うことはないだろうか?おっさんの私がアイフォン15を使い切れていないように、おそらく釣りにも個々のスタイルでリールに過剰なスペックがついてしまっている。もちろんそれで困ることもないが、「必要十分」という考え方で足るを知ることも大事だ。
ちなみにフルベアリングしようと思うと、プラス5000円のお金がかかってくる。やりすぎ。ラインローラーは折を見てかえようかと考えているが、まずはデフォルトで遊んでみてからだ。それこそ、せっかく安いリールを買ったのだから。
最新版エントリー機種の魅力
エントリー機種のレベルは更新機種がくる度に上がっていく。自重の軽量化がトレンドだが、ドラグや素材もいいものが使われ始めた。筆者は、最上位機種もそうだが、お手頃な値段でエントリーモデルでこそ違いを感じることができると思う。何せハイエンドは、逆に良すぎて何が何だかわからないのだ。
最新版エントリー機種が、もし皆さまの買い替えの候補に入ったなら、紹介者としてはうれしい。
<井上海生/TSURINEWSライター>