今月のテーマは「戸張誠の釣り談義」。間もなく当企画300回目に達するのを機に戸張は当コーナーから引退する。そこで最終章はハウツーなど語らず、ヘラブナ釣りについて戸張に好きなだけ自由に語ってもらうことにした。初回は大型釣りについて。戸張が好きな釣り場・千葉県君津市にある亀山湖での実釣を交じえながら、この釣りについて熱く語ってもらおう。出舟は同湖中流域にあるボートハウス松下。
最後の取材
取材場所はどこでもいいので好きな所でやりましょうと尋ねると亀山湖と即答。
記者も大好きな釣り場なので行動は早かった。ただし情報では釣れてない。
それは知り合いの動向でも一目瞭然だった。釣れていれば誰かしら常連が通っているはず。しかし取材数日前にも関わらず情報はゼロに近かった。
「ヤバそうだけど、どうします?」
とりあえず取材本番の4日前、戸張は試釣を兼ねてプライベートで同湖に出かけた。
取材前の試釣
ボートハウス松下から出舟し、川面台やサッタ下でモジリを探すもゼロ。
笹川筋に入ると少ないがモジリがあったので、中流域左岸の三本杭周辺に着舟。
はじめは長竿でチョウチン釣りを試したそうだ。ところがブルーギルばかりで本命のアタリはなし。時間だけが過ぎていった。
11時ごろ打ち返すために竿を上げたところ、ガツンと何かにスレた。
ヘラかどうかの確信はないが「タナは上かもしれない」と考えた戸張は、竿を15尺に替えてタナは3本に。
するとそこに魚は待っていた。
いきなり47cmが食ってきて、その後も数回アタリが続いたらしい。この短い時合いで戸張は43~47cmを3枚仕留めた。
時合いはこの日これ1回限り。だが大型釣りにはよくあることだ。
取材当日の日曜日
前回と同じ舟宿から出舟し、途中のモジリを探しつつ今回も笹川筋まで上ってきた。
途中、島裏でもモジリを発見したが「とにかく上流の様子も見てみよう」と川を上ったがモジリがまったくない。竿を出す気にはなれず、川筋を下り先ほどモジリがあった島裏に舟を着ける。
ところが北風予報で入ったはずなのになぜか風は東から。これだと島裏は横流れが強く釣りにならない。
1時間半ほど粘ったがアタリもなく、再度川筋に上って風が避けられるポイントを探して舟を着けた。
前回はタナ3本でアタったのに竿は22尺。
なぜチョウチンなのかと尋ねると「何となくそんな気がする」だった。
釣り人のカンってやつだ。