秋本番を迎え、東京湾のイシモチが活況。10月前半に金沢八景(漁港内)の鴨下丸を訪れ、メリハリの効いた小気味いい引きを満喫してきた。
晴天に恵まれ出船!
天候にも恵まれ、釣趣に魅せられた多くのファンが集まって2隻出しの盛況。
私は10人の釣り人とともに店主の鴨下芳徳船長が操船する第12号船に乗り込む。
7時30分、宿で手を振る女将に送られ、船は静かに浅橋を離れた。
当日のポイント&タックル
北東風で波高はそれほどでもなく、左手に八景島シーパラダイスを眺めながら大きく回り込むと、航程20分で富岡沖水深20~25mのポイントに到着。
「この辺りから探っていきます。エサ付けして準備をしてください」のアナウンスで、船支給の青イソメを5、6匹タオルの上につまみ出し、水分をとって滑りにくくしてから、頭からハリ軸いっぱいに通し刺し。
ハリ先を出し、タラシ部分は12~15cmと長め。細めのイソメは2、3匹チョン掛けにする。
船イシモチの釣り方
船が止まりポイントが決まると、「はい、いいですよ」の合図。
オモリを持ち、竿の弾力をいかして前方へ軽く投げ入れる。オモリが着底したらイトフケをとり、波の上下でトンと底を打つポジションをキープ。
時々、竿先を30cmほどソフトに上下させて誘いを入れると効果的だ。
アタリは竿先をガツガツと激しく叩くほど明確。ここで、思わずビックリアワセをしてしまうとハリ掛かりしない。
派手にくる初めのアタリは見送り、違和感を与えないよう、少し送ってからそーっと聞き上げる。
グッグッとくる本アタリで、魚を乗せる感じで竿を立てる。あとは、竿を少し起こし気味にして、魚の引き込みを存分に楽しみながらスムーズに巻き上げ。
取り込んだ魚はすぐにアゴの下にハサミを入れ、バケツで海水に浸し、血抜きをしてから氷の効いたクーラーに収めて持ち帰れば、より美味しく食べられる。
朝の時合いを迎え、活発に食ってくるので、たちまちオケのなかは白い腹を見せた本命イシモチでびっしり。
船中アタリ連発!
操舵室の横で竿を握る岩崎さんが調子を上げてきた。
レギュラーサイズを取り込むと、「茨城の堤防でイシモチを釣り、帰ってバター焼きにしたところ、子どもに大ウケだったので、次は船でと思い来ました。沖釣り初挑戦なので船長からアドバイスを受けながら釣っています。引きが強くて楽しいですね。」と満足そうだ。
ミヨシに座る常連の白砂さんは、6:4調子の長竿をほとんど置竿でオモリのベストポジションを保持し、誘い~アワセのすべてを船の上下動と竿の調子に任せて、次つぎと良型の本命を上げていく。
左舷胴の間では、松戸市から来た親子が和気あいあいとレンタルタックルを振っていた。父親の栗飯原さんが良型を連釣すると、息子の悠月君(小6)も負けじと本命を抜き上げ「ハリ掛かりしたときが何んとも言えず快感」と、目を輝かせていた。
釣り座に戻り、再び竿を手にしたところ「またボクがデカいのを釣ったよ」と、船長が教えてくれたので、すぐに取って返すと、目を見張るほどの大型を手に嬉しい笑顔で待っていてくれた。
35cmのイシモチは、まばゆいばかりに銀鱗が輝いていた。