いよいよ迫ってきた梅雨入り。人間はテンションが下がりがちな季節ですが、そうではないお魚さんも。梅雨以降に釣れやすくなるサカナをご紹介します。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
6月の海の中は
6月は海水の水温が17~23℃くらいとなり、冬の寒い時期と比べて適水温で過ごせるサカナの種類が増えてくる頃です。
私たち人間がの場合だと6月ともなれば、初夏の装いと共に湿度も増して汗ばむ季節です。
また、中旬・下旬となるにつれて梅雨の時期が顔を見せ始めてきますね。
一方で海の中はというと、水温は地上と比べ1~2カ月遅れて上昇してくるため、まだ春先のような季節でもあります。
ですが、人間と同じように、春先は動きやすくなるシーズンですので、サカナの動きも活発に、それに伴い食欲も増してくる季節です。
シロギス(キス)
寒い冬の間、深場にいたキスが産卵の為に浅場に接岸しはじめる時期です。
シロギスの産卵期は3カ月と長く、岸から釣れる期間が長いのも特徴です。
家族でいつもサビキ釣りをしている方も、この時期は少しだけ背伸びしてちょい投げでキス釣りに挑戦してみるのもいかがでしょうか?
キスはゴカイが大好物なため、河口の近くの砂浜が狙い目です。
しかし、塩分濃度が極端に低い水を嫌うため、長雨の後は河口だと釣れる確率が下がるため、砂浜の絡む堤防などがオススメです。
イワシやアジ
入梅イワシという言葉があるように、6月~7月の梅雨入りの時期にとれるマイワシは絶品であり、産卵前の脂がのったイワシが接岸してくる時期です。
イワシといえば、大きな群れを船で一気に捕獲する漁をイメージしがちですが、堤防などにも入り込んでくるため、サビキなどでも簡単に釣ることができます。
アジは夏前だとまだまだ小型ではありますが、小さなアジが群れで堤防内を回遊していることが多く、こちらもサビキで狙うことができます。
小さなアジは内臓をとって南蛮漬けにするのがいいでしょう。
マゴチ
マゴチも夏に旬を迎えるサカナで、梅雨の時期から産卵のために接岸してくるため釣りやすくなります。
マゴチと言えば、ルアーフィッシングの好ターゲットとしても知られますが、上記のアジ、キスはマゴチの大好物のため、泳がせ釣りで狙うのも◎。
基本的には砂の多い地形を好み、塩分濃度の変化にも強いため、砂浜だけではなく、河口なども狙い目です。
その際は川の流れと、海水のぶつかるようなポイントを狙うといい釣果に期待が持てますよ。
クロダイ
普段は警戒心の強いクロダイですが、梅雨の時期は海も濁りやすいため警戒心が薄くなるため、狙うには好機と言えます。
近年だとルアーで狙うチニングが盛り上がり始める時期で、陸から狙うのであればこちらも河口がオススメです。また、エサで狙う場合はカニを使うのが◎。
日中はやや水深のある船の通り道や、橋脚の影などが狙い目です。
あまり重いオモリをつけると違和感でしっかりと食べてくれないので注意しましょう。
梅雨はサカナが動き始める時期
いかがでしょうか。
梅雨は人間でいうところの春先にあたるため、サカナも活発に動き始める時期です。場所をしっかりと選ぶことで狙ったサカナを釣ることができるでしょう。
しかし、雨は足元も滑りやすくなるので、滑りにくいシューズを履いたり、雨の強い日は河口を避けるなど細心の注意で釣りに出かけるようにしてくださいね。
<近藤 俊/サカナ研究所>