ニオイつきワームをこれまで使った経験と、先日自作して実釣した経験から、この魅惑のソフトルアーについて、私見を述べたい。以前から考えていたこともある。結論からいえば、「使いどころで光る」。それは、使いどころを間違えれば厄介だという話でもある。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
ニオイつきワームについて回想
以前、須磨とか垂水でライトゲームの練習をしていたころだった。当時はとにかくいろんな釣り情報やプロの動画を見て練習して、ノットもろくにできないところから、なんとか釣りがサマになりだした。そんなときにニオイつきワームをひとつ買って試してみた。
その結果は芳しいものではなかったと記憶している。投げ釣りでキスを釣った、というのが一番の感触か。そういえば夏の真昼間になぜかデカいタコを釣って周囲を騒然とさせたこともあったっけ。しかし本当にそれくらいだ。ライトゲーム二大ターゲットのアジ、メバルは、ほとんど釣れなかった。
それどころか……とにかく雑魚にワームを食いちぎられた。本当に一投でずたずたになるくらいやられた。ただこれは場所性もある。須磨や垂水は夜になってもフグが多い。もうちょい湾奥に移るとそういう魚は少なくなるのだが、それでも、今でも思うがワームのニオイは要らぬ魚を寄せてしまうのだ。
視覚よりも嗅覚で食ってくる魚たち
私の仮説として、フグ、ベラといった雑魚や、良い魚としてはチヌ、カサゴがニオイつきワームをよく食うのは、嗅覚による反応だと思われる。そんなもの当たり前じゃないかという声が聞こえてきそうだが、そういう意味ではない。要するに視覚よりは、嗅覚でこういう連中はワームを感じているのだ。
このへんの魚は目が小さい。よって夜になると、視覚よりは嗅覚で追いかけてくる。よく見てほしい。これがチヌの目だが、たとえば、メバルやアジと比べて、魚体のわりに小さいと思わないだろうか?
青物もそうだろう。目が小さい。その点、ライトゲーム対象魚のアジ・メバルの代表二種は目が大きい。間違いなく目でワームを見ているのだ。
アジ、メバルは目で感じている
これからテストを重ねていかないとわからないが、おそらくアジ、メバルをもっと釣るためにニオイつきワームを使うと、上述のように雑魚の反応が増えてしまうだろう。本命の魚の釣れ方はそんなにかわらないはずだ。ただ、アタリが遠のいたところで、ピンポイントで使えば、いくつか数を追加することができるかもしれないけれど。
先日のニオイつきワームのテストでチヌが釣れたのも、私は間違いなく嗅覚だと思っている。大体チヌは夜にそんなに釣れる魚ではない。通年やっているとアクシデントで深夜にも一度は釣れるが、このように明確に論拠があるところに口を使ってきたのだから……。
また、見ている限り、表層をトレースしていると、この大阪湾奥では学習しまくっているはずのシーバスのチェイスも多かった。シーバスにもニオイは伝わっているのかも。
応用としては、今後、個人的にはタチウオワームをニオイつきにしたい。こいつらも決して目が大きくない魚だ。またすっかりと夜になるとワームの釣りに明らかに反応が悪くなる。エサ釣りでしか掛からない。そこへニオイをつけた蓄光ワームを持ってきたら、どうだろう?