秋は気候もよく、魚種も多彩、ボートフィッシングを楽しむのに最高のシーズンだ。そこで今回は、免許不要の2馬力艇を例に、知っておきたいボートのあれこれを、エキスパートの尾崎郁雄さんに解説してもらった。岸からでは届かないちょっと沖は、船釣りでもあまり狙われない魚のパラダイス。ぜひ自由気ままな手前船頭で、この秋シーズンを満喫しよう!
2馬力マイボート
1人で気ままにボート釣りを楽しんでみたいと思っても、レンタルボートなら借りる時におおよその手順は教えてもらえるが、マイボートとなると初心者にはハードルが高いと思われる。
今回はボート釣りを始めるにあたり免許不要で人気の2馬力ボートを対象に、準備から実践までを詳しく説明したいと思う。
どこまでが免許不要?
免許不要のボートは全長が3m(カタログ表示で332cm以下)未満で、船外機が1.5kw未満の出力(=2馬力)の組み合わせになる。まず、ボートを選ぶ際のポイントだが、これは使う人数と、持ち運ぶ際の重量とのバランスになる。
1人で使用することが多いのに大きく重いボートを選んでしまうと、準備と片付けが大変で楽しみが半減してしまう。
1人なら大きさは3m程度で30kgくらいまでのボートが手ごろだ。逆に常に2人で使うなら広さを優先する。3.3mの免許不要条件の最大サイズがお勧めとなる。
なお、3人以上は小さなボートでは窮屈で、釣りには適さないと考えよう。
ボートドーリー
ボートを使って釣りを安全&快適に楽しむには、それ相応のアイテムが必要だ。代表的なものを紹介しよう。
これは駐車場から水辺までボートを運搬する際に使用する。舗装された場所では、船外機や釣具一式を積み込んで運ぶことも可能となる。
アンカー
アンカーは船をポイントに固定するための物だが、エンジンが不調になった場合の緊急対応にも必要となる。携帯性と利きがいいコンパクト型が便利だ。重さの目安は3kg以上。
ロープは水深の2倍以上が必要なので、50mくらいを用意する。散水用の水道ホースリールなどに巻き取れば使いやすい。
ロープの結びはアンカーの底にして、根元に軟らかいアルミ製の針金で仮固定すれば、根掛かりした際に回収しやすくなる。
これに加え、アンカーが利きづらい深い場所がポイントになる釣りには、シーアンカーがお勧め。
安全旗
これは海上での安全性を高める必須アイテム。
3mくらいの長さの棒に目立つ色の生地で作った旗を取り付ける。ボートの後部や腰掛板に棒を固定する。
予備燃料タンク
2馬力のボート釣りで、一日に使用するガソリンの量は、2~3L。3L程度の消防法に適合した携行缶をホームセンターなどで購入して携行したい。
魚群探知機
これがあると釣りの戦略性を上げられる。できれば簡単な海図付きのGPS魚探がほしい。一昔前から比べると考えられないくらい安価で入手できるので、ぜひ検討してほしい。
バケツ
これは船底に溜まった水をかき出したり、手洗い用の水をくむ以外にも、発泡スチロールなどの浮力体を付けてシーアンカーとしても利用できる。
その他
なお、釣った魚をおいしくいただくには、生きている間に内臓を取り出し、ボート上で締めて持ち帰るのがお勧め。サバなどの青物はアニサキス対策にもなる。ただし、ボート上でのナイフ使用は危ないので、調理用ハサミが活躍する。
これらに加え、ライフジャケットはボート釣りでなくても絶対必要。必ず着用して楽しもう。