この時期の人気ターゲットといえば磯のグレ釣り。産卵期でもあり脂が乗り白子や真子がパンパンなグラマーな魚体、そして美味しい。しかし水温が低下すると魚の活性も低くなり、サイズは様々だが比較的高確率で釣れるグレ釣りでもこの時期はノーフィッシュで完敗ということもある。今回はその水温低下で低活性な状況をどう攻略するかを解説する。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター石田一聖)
良型グレ狙いフカセ釣り
ここ最近は好調だった釣り場も2月の厳寒期ともなれば水温も不安定になり魚も低活性となる。しかしその難しい時期だからこそ、魚との知恵比べが一番面白い時期でもある。
今回は大分県南の蒲江港から出船するふかしま丸で、深島へフカセグレ釣り出かけた。もちろん狙いは産卵期の良型グレだ。
当日の状況
当日の天候は晴れだが、北西の強風が吹き荒れ上がれる磯も限られた。前週の釣行では19℃あった水温が船の水温計を見るなんと15.9℃。水温の安定期であればミチイトがバチバチと飛び出ていったり、ウキが一瞬で消し込む気持ちのいいアタリが多いが、こういった状況ではウキは目で見て分かるような明確なアタリも出ないし、ましてミチイトが飛び出していくようなアタリはほぼない。
こういった時はウキがほぼ動かない居食いや、さしエサを咥えるもすぐ放すパターンでエサだけ取られ、一体どれがアタリ?というくらいアタリを取るのが難しい状況に遭遇する。またそういう時ほど良型のグレは繊細なアタリでエサを取るものだ。
当日の作戦
水温が不安定な状態ではとにかくアタリの出やすい軽く抵抗のない仕掛けを使用するに限る。当日の仕掛けは、ミチイトが1.75号、ハリスは1.5号を2ヒロ、ハリはグレバリの5号、ウキは0号としウキ下に8号のガン玉を付けたシンプルで軽い仕掛けとした。
一日釣りをしているとずっと安定して潮が流れ、風もかわらずなんてほぼない。当然状況もかわるのでウキの種類はその時の状況に応じて即対応できるように、ウキはできればたくさんあった方がいろいろな選択肢で食い渋るグレに対抗できる。グレも必死に守備に入っているので、こちらは様々な攻撃パターンを考えておかねばならない。
また、魚が低活性というのはエサを食わないということではなくて、水温が安定せず魚が動かない状態だからで、潮が流れて暖かい潮が入ってきた状況などではその一瞬口を使ってくる。その一瞬で釣らないといけないわけだから、まきエサだけ食われて時合いが終わることもあるのでまきすぎには注意したい。かと言ってまかなすぎもよくないから、そこが難しい。
1尾目は30cmグレ
午前5時、当日はコータクバエという深島では1級磯へ上礁した。7時ごろに夜が明け、まきエサを混ぜ、潮が流れている方にまきエサをポツポツと打ちながら魚が浮いてくるか見ていると、見えるところには全く魚の影すら見えない状況。やはり目論見通りの展開になりそうなので、仕掛けを前述の通り作った。
釣り開始後、潮がゆっくり動いているポイントに仕掛けを入れ、3ヒロくらい仕掛けを落としたところで一瞬ミチイトはフワッと動いた。アワセを入れると上手く掛かったようでようやく当日の1尾目のグレ30cmほどが釣れた。しかしその後続かず苦戦した。
ウキ変更で本命3連発
当日は満潮が9時くらいで潮止まりを迎えた。下げ潮に期待したが、潮が動きだしてからも状況はかわらず、とにかく魚の姿が全く見えない。しかしたまに前半のように一瞬だがウキが少しだけ引っ張られる繊細なアタリが出て、アワセを入れ何とか30cmほどのグレを追加した。
ここで完全にアタリが止まる。こういった時はタナがかわった場合が考えられるので、まずはウキを完全に沈めるためウキを00に交換。そして釣るタナを一気に深くしてみることにした。
するとついにミチイトが一瞬だがピンと張るアタリが。サオに乗せると重量感のあるグレだ。貴重な魚なのでいつもより慎重にやり取りし、無事タモに収めたのは42cmの良型グレ。それからもそのタナで立て続けに3尾釣れた。