寒い冬は釣り人にとって厳しいシーズン。しかし、ポイントによっては「プラスα」の楽しみ方も。今回はテトラポットでの天然の海苔摘みと、その下処理&定番レシピを紹介したいと思います。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)
天然の海苔摘み
海苔といえば、おにぎりやお寿司の軍艦巻き等で使用される板海苔が真っ先に想像できるのですが、これはもちろん加工品。改めて調べてみると、海苔とは「水中の岩石に苔のように着生する藻類の総称」とのこと。
普段私たちが口にする海苔はほぼ100%養殖品で、専用の網を海中に沈め、そこで効率良く育てているものなのですが、天然のものは先に書いた通り、岩やテトラポット等に苔のように付着しています。
種類については残念ながら正確に見分けることはできないのですが、東京湾で採れるものはスサビノリ、もしくはナラワスサビノリの可能性が高いそうです。
今回はそんな風味豊かな天然の海苔を手に入れるべく、東京湾袖ケ浦エリアへ出かけてきました。
狙いは2月の大潮干潮時
海苔摘みシーズンは例年1月末から2月末までなのですが、この間何時でも摘むことができるわけではありません。実際はこの期間の、海苔がついている岩やテトラポットが海から現れる大潮干潮時の3~4時間。実質、年に6日前後×3~4時間という限られた時間帯になります。
更に突き詰めると、雨が降ってしまうと完全にNGで、晴れていてそこそこ風が吹いている日がベスト。岩やテトラポットについている海苔は苔のように短く、そしてヌルヌルしているので、「濡れている状態では摘みづらい」という理由です。かといって、完全に乾いてしまうと逆にはがしづらいので、「適度」な乾き具合のものに目星をつけると良いでしょう。
「ヌルヌルしている」ということで、安全第一のためにも必ず溝がしっかりある靴、もしくは長靴の準備を忘れずに。
写真は2年前に撮ったもの。この日は晴れていて、かつ適度に風もあったので、干潮時刻の1時間前には最高に摘みやすい状態になっていました。この位まで乾いてくれると、海苔はつまんでもほとんど滑らず、ペリペリとまとまって剥がれてくれるので、効率よく摘むことができます。実際、この時は30分程度でコンビニ中袋ほぼ満タンになりました。
年にもよりますが、2月の後半になるとアオサも多くなってきます。売り物にする場合は別ですが、自分で食べる分には混ざっても特に問題はなく、少し位ならむしろアオサ特有の焼きそばっぽい風味?が加わって一段と美味しくなると思います(笑)。混在しているポイントではあまり神経質にならず、一緒に摘んじゃいましょう。
道具類と摘み方
準備する道具等は、海苔を入れるための入れ物(コンビニ袋やバケツ等)。以上。海苔摘みはものすごくお手軽です。摘み方については先にも触れた通り、岩やテトラポットに自生している海苔をつまんでペリペリとはがすイメージ。
ただし、乾き具合によっては上手くはがすことが難しいので、ちょっとずつむしるように摘む場合も。どちらにしても、かなり地道な作業になります。
釣りも一緒に楽しむ
袖ケ浦のポイントには干潮時刻の3時間前に到着。海苔摘みにはまだちょっと早いので、陸っぱり釣りにて時間を潰すことにします。うまくいけばちょい投げでシロギスやカレイ、足元でギンポが釣れるハズだったのですが……。予想通り2月の低水温時は渋く、アタリすらありませんでした。
のんびりコーヒーを飲みながらまったりした時を過ごします。そして気づけば時間は干潮時刻の2時間前。「そろそろ良い頃かな」ということで、突端のテトラ帯に向かうことにしました。