洋上でエンジントラブルが起こった時に船長がまずすべき行動は?いきなりのエンジントラブルで誰に助けを求めていいか分からない!そんな時の対処法をご紹介いたします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター杉浦永)
エンジントラブル事例
私は、洋上で釣りを始めようと思って港から10分ほどのポイントに到着した際に急にエンジンが止まってしまい、移動が不可能になり、漂流した経験があります。
原因はエンジンのサーモスタットの潮噛みでオーバーヒート気味だったことと、ポンプに亀裂が入っていたことでエアーを噛んで、エンジンにガソリンが送られずにストップしてしまいました。
洋上でのエンジン回復を試みましたが、エンジンは掛かりそうにない予感。すぐに仲間の船に救援を頼んで、マリーナまで曳航(えいこう)してもらいました。
エンジントラブルの連絡先
私は友人に救援してもらいましたが、こんな場合どんな対応をすればいいのかを紹介します。まずはトラブルになった場合の連絡先です。
マリーナ
自船が係留しているマリーナに連絡してみる手段です。費用はマリーナによって違うと思いますが、1万円~10万円オーバーとピンキリで、船のサイズや曳航してもらう距離によって値段が変化します (規模が大きくなれば高くなる)。
メリットとして、マリーナの方に救助してもらえるので症状を伝えやすいこと。デメリットとして、費用が掛かってしまうこと。
海上保安庁
海上保安庁に連絡するという手段もあります。費用は掛からないということを確認しました。
海のトラブルなので連絡しやすいのがメリット。デメリットとして大きい海上保安庁の船で曳航してもらう場合、マリーナの中に入ることができないこともある。
友人
知り合いの僚船がいる場合は電話して助けてもらう手段もあります。費用は交渉次第です。
メリットとして釣りをしている僚船の場合は海の状況が分かるので、曳航可能か判断ができることや自船から指示が出しやすい。デメリットとして相手の釣りを中止させてしまうことや相手船のエンジンにかかる負荷が大きい。
エンジントラブルのマストアイテム
続いて、エンジントラブルになった際に必要になるアイテムを紹介します。もしものことを考えて準備しておきたいアイテムです。
長めのロープ
曳航するためにロープは必須です。自船の船首のクリートと相手船の後ろに結びます。なるべく2点で結びつけ、ロープは両方の船の長さの和の3倍以上で曳航し、港内では衝突が起こらないように短く調整します。
アンカー
漂流した際に船が流されないようにアンカーを打つことが大切です。アンカーを打つことで救助船に位置情報を送りやすくなり、座礁などの二次被害を防ぐことができます。
保存水
船に備え付けの保存水を用意しておくことも大切です。夏の炎天下の時期に何時間も救助を待たないといけない場合もあると思うので、熱中症にならないために水を積んでおきます。