潮干狩りといえば、熊手を使ったアサリ、塩を使ったマテ貝などの二枚貝採取が主なメニュー。今回はいつものメニューに飽きた方へ裏メニュー「アカニシ貝」をご紹介。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・尾崎大祐)
アカニシ貝とは?
アカニシ貝とは、簡単に言うと最大15cmになる、貝殻の内側が赤い巻貝。実際、東京湾で見つけることができる個体は10cm以下のものが多く、アベレージは5~10cmといったところ。食味についてはサザエに似ていて個人的にかなり好み。
食性は肉食で、アサリやカキが大好物であるため、潮干狩り場では嫌われ者。実は私も3年前に「嫌われ者」としてその存在を知りました。干潟に渡船してくれた船長の「それ、捨てちゃだめだよ。食べられるから持って帰って!」という一言から、この貝の潮干狩りが始まったのでした。
アカニシ貝の採取
次にアカニシ貝の採取について解説していきます。
アカニシ貝がいる場所
潮干狩りは基本「砂地の干潟を熊手などで掘って貝を採取する」のですが、ターゲットがアカニシ貝となると勝手が違ってきます。アカニシ貝はなにやら乾燥がとても嫌いらしく、干上がっている所ではほとんど見かけないです。少なくとも、大潮の干潮時刻に干上がらない、多少なりとも障害物のある場所を好むようなので、こういった場所を探ることになります。
採れる時期
また採れる時期についてですが、基本アサリ狙いの潮干狩り最盛期とほぼ同じ。アカニシ貝はアサリが大好物なので、これに起因しているかと思われます。しかしながら、より効率よく採ろうとするならば、水温が上がってくる6~7月がオススメ。この時期になると、産卵のため砂に潜っている個体はほぼいないため、掘る作業がいらないのです。
準備するもの
必須なものは軍手、アクアシューズ、ネット、入れ物(クーラーボックスなど)。その他、より深いポイントを探るのであれば、海パンやラッシュガード着用がいいでしょう。
また、アサリなどの二枚貝採取との二刀流をするのであれば、もちろん熊手も必要となります。
具体的な採取方法
採取方法はズバリ、アサリがいて大潮干潮時にも干潟にならない、多少なりとも障害物のある場所を「足の裏に神経を集中させながら歩く」です。
障害物はポイントによって様々なのですが、例えば浦安の三番瀬では岩礁地帯、横浜の海の公園ではアマモの群生地帯、といった具合。
足の裏に神経を集中させるということで究極には裸足がベストなのですが、これは絶対さけるべき。障害物周りはそもそも危険ですし、他の生物も多くいます。そして中には危険生物もいます。私はまだ遭遇していませんが、海外では死亡例も報告されているアカエイを踏んで毒針で刺されてしまったら大変です。
また、足の裏に神経を集中させるかたわら目視による監視も忘れずに。表層には触れると危険な赤クラゲもいたりします。
初心者はまずアサリの潮干狩りを
なんとなくお気づきだと思いますが、アカニシ貝採取は少々危険をともないます。そのため、やや「上級者向けの潮干狩り」と言えるかもしれません。
危険なのは足だけではありません。本命らしき硬いものを足の裏で感じ、手をのばしてみたら大きなイシガニに指をはさまれたり、アメフラシを握って悲鳴をあげたり。その他、正体不明の生物やその卵らしきものをつかんでしまうなんてことも…。
というワケで、初心者はいきなりアカニシ貝を専門で狙うことはせず、まずはアサリ採りからはじめてみることをオススメします。そして、慣れてきたら少し水深のある場所でやってみてください。たくさんは採れないかもしれませんが意外といますよ。
ゲストのツメタガイ
アカニシ貝はアサリの天敵。採取するということはイコール駆除することにも。ならば、同じくアサリの天敵ツメタガイもついでに駆除しましょう。ツメタガイはアカニシ貝よりもアサリ寄りの、比較的浅い砂地に多くいるので見つけやすいです。そして意外とおいしく食べられます。