2020年、多摩川のアユは過去10年で最低の遡上数(推定)であることが公表されました。調査元の「東京都島しょ農林水産総合センター」に電話取材を行った模様をレポートします。
(アイキャッチ画像提供:photoAC)
2020年の多摩川アユ遡上数
東京都島しょ農林水産総合センターが6月1日に発表した調査結果によると、今年の多摩川のアユ遡上数は推定約37万尾とのこと。昨年度調査(2019年6月度発表/最終合計数値)の約333万尾と比較すると今年の遡上数減少が目立ちます。
調査結果によると、4月上旬までは順調にアユの遡上がみられたものの4月下旬以降は低調となり、5月にはほとんどアユの入網がなくなったとのこと。あくまで推測となりますが、昨年に発生した大型台風の影響により、アユの産卵床が被害を受けたことが遡上数減少の要因として考えられます。
遡上のピークは4月上旬となり、多摩川河口から11km地点での調査開始以降で最も早い時期となりました。なお、まとまった降雨後にアユの遡上数が伸びる傾向がありますが、6月以降に遡上が見られるかは現時点では不明確とのことです。
多摩川遡上アユのサイズ
一方、例年よりも比較的アユの型は良く、魚体サイズは6~7cmとなっています(昨年度は5~6cm)。
多摩川漁協によると、例年と比較すると数釣りは難しいようですが、良型アユの釣果報告もあるとのこと。アユの型が良い理由は不明ですが、今シーズンはアタリがあれば良型アユが期待できるようです。
解禁後の釣り人の数
アユ釣り解禁後の釣り人の数は例年並みとのこと。コロナウイルスの影響が危惧されていましたが、都市近郊でアクセスが良い多摩川では釣り人は意外にも多いようです。
緊急事態宣言は全国で解除されましたが、釣りの際にも感染拡大防止を徹底するようにしましょう。
注意点
昨年の大型台風の影響で多摩川各所で復旧工事が行われており、昨年釣りが可能であったエリアも立ち入り禁止となっている場合があります。一部の区間では工事で発生した水の濁りの影響で釣果も上がりにくくなっているようですので、危険な釣り場への立ち入りは避けるようにしてください。
取材協力:東京都島しょ農林水産総合センター
取材協力:多摩川漁業協同組合
<田口/TSURINEWS編集部>