日本は四方を海に囲まれた島国であり、季節や場所によってスーパーに並ぶ魚介類も様々。今回は、5月に旬を迎える東日本のサカナを紹介します。
(アイキャッチ画像作成:TSURINEWS編集部)
北海道の旬 ホッキ貝
あまり有名ではない食材かもしれませんが、北海道は日本有数のホッキ貝の産地です。うまみ成分であるアラニンやグリシンが多く含まれ、甘みのある奥深い味わいが特徴です。
他にも疲労回復に効果バツグンのタウリンや、カルシウム・マグネシウム・鉄分などのミネラルも多く、健康に大切な栄養素も豊富に含まれています。
お寿司のネタとして食べることが多いですが、北海道ではカレーライスやバター焼き、炊き込みご飯などの加熱調理で食べられることも多いです。
どんな調理法でも美味しく食べられるホッキ貝を是非ご賞味あれ。
東北の旬 昆布
昆布と言われると北海道をイメージする方も多いかも知れませんが、岩手県の昆布生産量は北海道に次ぐ第2位です。
出汁のための食材と思われがちですが、昆布もれっきとした美味しい食べ物です。煮物の具材や混ぜご飯など食べ方は様々。
また、低カロリーでビタミンやミネラルなどの栄養も多く、胃の中で水分を吸収し量が増えるので満腹感も味わえます。さらに食物繊維やアルギン酸が腸の働きを活発にするため、外出自粛生活で太りやすい今、ダイエットにもピッタリの食材と言えるでしょう。
関東の旬 イワシ
庶民の魚、大衆魚と呼ばれ、安くておいしい魚の代名詞と言えば「イワシ」でしょう。
日本屈指の水揚げ量を誇る千葉県銚子市ではイワシの水揚げ量が日本一です。銚子港の沖合では南からの黒潮と北からの親潮がぶつかる上、利根川からの淡水も加わって、年間を通じてプランクトンが豊富に発生する好漁場となっています。
水揚げされるイワシは太って丸みを帯びており、梅雨の頃に漁獲されるイワシは特に「入梅イワシ」と呼ばれ、7月ごろまで脂が豊富に乗り一番美味しい時期です。
刺身、なめろう、つみれ汁や塩焼きなど調理法を選ばないイワシはまさに絶品です。
北陸の旬 ウマヅラハギ
あまり有名なサカナではありませんが、日本各地で漁獲されることもあり、ウマヅラハギは近年、漁獲量の増加に伴って少しずつ注目が集まっています。ウマヅラハギの仲間で高級魚のカワハギに比べると若干味が落ち、特有のにおいがあることから市場価格はそこまで高くありません。
一般的にカワハギ類は冬に肝臓が大きくなる「肝パン」という状態が高く評価されますが、初夏のウマヅラハギは夏の産卵期の備えて身に脂がたっぷりとのっています。そのため、みりん干しなど、多くは干物に加工されますが、この時期に限ってはポン酢と薬味とともに生食で食べるのがオススメです。
コリコリとした弾力のある身は淡白ながらも濃厚な味わいです。
東海の旬 カツオ
マグロと共に日本人に人気の赤身魚と言えばカツオ。
カツオの産地として有名なのは高知県ですが、実はカツオの漁獲量については静岡県が1位です。
カツオの旬は1年を通じて2度あると言われており、春から夏にかけて北上するものを「初ガツオ」、夏から冬にかけて南下するものを「戻りガツオ」と言います。5月ごろは三重や静岡を中心とした本州中部あたりをちょうど北上しています。
カツオは年間を通して味わいが変化するのが特徴で、初夏のカツオは脂がほとんどなく、身の締まった赤身のさっぱりした味わいをしています。そのためマリネやカルパッチョ、炙りやたたきなどで食すのがオススメです。
鮮度が悪くなりやすいカツオをより美味しく食べるなら、やはり現地まで食べに行くのがいいでしょう。
<近藤 俊/サカナ研究所>