こんにちは、プロフェッサー永井です。過去3回に渡りお届けしてきた同シリーズですが、今回が最終回になります。ラストは、カラー理論からできた実際のルアーを紹介します。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・永井浩明)
フィルムとルアーをセットで
横浜つりフェスティバルの後、みなさんから多くの要望をもらい、限定色はそのままに、ムカイフィッシングの別ルアーでフィルムとのセット販売が決定しました。
カラーが「無」にならない
カラーは全部で7種類。写真の中にある左の3色は、あさごはん、ひるごはん、よるごはんというネーミング。右側の写真はこれを魚目線で見たものです。ボディと、リップ、テールのカラーリングが絶妙で、どんな状況下でもルアーのカラーが「無」にならないように工夫しました。
全体的に明るい色を使うことで、人間からの視認性も高い。これは、結構重要なポイントです。
保護色の話
話は突然逸れますが、自然界には保護色というものがあります。動物や虫、魚にもありますが、捕食されないよう自分の姿を隠す色です。
フィルムを手に、動物園にも通いました。動物たちはとても不思議なカラーパターンで、興味が尽きません。一番のお気に入りがトラです。
トラの耳には、後ろからみると白い丸があるのをご存じですか? 諸説ありますが、子どもが親の後ろを歩く時の目印と言われています。
黒に白い丸
フィルムで見てみると、木々のなかでも、黒に白い丸がとても目立っていました。これを参考にしたのが下の写真の4色。彩光、黒御影、苔、仏。この4つは、腹の色に秘密があります。
逆魚パターンとは
「逆魚パターン」と呼んでいますが、これもカラー理論のひとつ。魚は背が黒くて腹が白いですよね。鳥から狙われにくいなど、理由はいくつかあると思いますが、これを逆にして、あえて魚に見つけてもらうという発想です。
クランクベイトへの応用
次に下の写真は、クランクの水中姿勢です。腹にラインを入れたものとないもの。魚がルアーを見上げたとき、クリアボディにラインが目立ちます。逆に下を泳いだときは白く光る。
この水中姿勢を魚目線で撮影したものが、最後の写真になります。どうですか? すごく美味しそうですよね。
ぜひ、手に取って遊んでみてくださいね。
第一回「サカナの色覚の謎にせまる:特殊フィルムでルアーを検証」を読む
第二回「サカナの色覚の謎にせまる:人間に見えている色彩とはどう異なる?」を読む
第三回「サカナの色覚の謎に迫る:アピールの秘訣は背景色との対比だった?」を読む
永井浩明さんプロフィール
ベリーパークインフイッシュオン王禅寺インストラクター、ムカイフィッシングタックル開発、永井浩明研究所所長、小満屋代表取締役、釣人塾塾長。代表作 ZANMUシリーズ・フルスペックシリーズ・電動リトリーブマシンスイムチェッカー・スピードメーターグルーン・小満屋ドラグ・KOMAYA EYE。
<週刊つりニュース関東版 APC・永井浩明/TSURINEWS編>