神戸・和田防は早くも春のシーズンインなのか連日好釣果の情報。私も3月7日、期待感を胸に釣行。エビまき釣りは不発も、後半の投げサビキ釣りで大サバ4匹をものにし、ほくほくの一日となった。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)
和田防波堤の釣況上向き
暖冬と言われ続けているうちに、いつのまにか3月も末へ。例年なら3月の和田防波堤は、根魚の活性が上向いて、チヌとハネの便りもボチボチと伝わってくるという感じだが、今年は違う。複数のWEBサイトで見かける釣果情報は、最初からいきなり乗っ込みチヌの数釣りに、デカアジ、大サバも釣れたという活況ぶり。
和田防は早くも春のシーズンインなのか。私も3月7日、期待感を胸に釣行した。
和田防波堤の概要
今回釣行した神戸・和田防波堤は、ポートアイランド西側に位置する全長1140mの沖防波堤で、神戸港の沖防波堤の中でも人気の高い屈指の好釣り場だ。特に春のシーズンは、乗っ込みチヌのメッカと評され、一段と多くの釣り人が訪れる。
防波堤の構造は、外向き(沖向き)はテトラ帯、内向き(陸向き)は手前から沖20mぐらいまでは海底に敷石が積まれ水深は浅い。内向きのウキサビキ釣りはタナを底近くとする場合は、30m以上の遠投が必要になる。逆に、手前20mまでの敷石の穴や崩れ、カケアガリを攻めるフカセ釣りやオキアミエサのウキ釣りも面白い。
河内渡船で渡堤
渡船店は複数あるが、私が利用するのはこのエリアの老舗である河内渡船。和田防、新波止、ポートアイランド赤灯波止の3か所に渡しており、多くの常連から寄せられる日々の生きた情報のほか、ホームページも充実しており、フィッシングマックス神戸ハーバー店とも協力関係にあるので、情報収集や下調べには事欠かない。
利用する際は、まず店舗で乗船手続きを済ませて乗船券を受け取ってから、離れた場所にある乗船場に向かう。なお、大阪湾の沖波止は全域で救命胴衣の着用が義務付けられているので注意のこと。
エビ撒き&投げサビキで挑戦
当日、渡船店に着いて最近の様子を聞くと、「チヌは十分釣れている。アジとサバは日によって釣れる場所や時間帯が違っていて、一定していない。ハネは少ない」と、チヌに自信ありといったところ。
乗船場で6時の始発便を待つ釣り人は、おおよそチヌ組、ウキサビキ組、楽釣組に分かれていて、大型クーラーに集魚材とオキアミブロックを入れた大きなバッカンが手荷物のチヌ組の姿が多い。
その中でも存在感を見せているのが常連たちで、情報交換を楽しむ姿は余裕綽々といったところ。私はチヌ、ハネ、根魚狙いエビ撒き釣りがメインとしながらも、状況次第で投げサビキに転じようという算段で、タックルも2種類用意していた。始発便は熱気溢れる40人ほどの釣り人を乗せて出船した。
エビ撒き不発も周囲でチヌ浮上
私は波止の中央付近に釣り座を構え、エビまき釣りをスタートした。ところがアタリがほとんどない。誘いをかけたりタナをかえたりと工夫してみるが状況はかわらない。たまにアタリはあっても、シラサエビが中途半端にかじられているだけで、キープサイズの魚からの反応ではない。
少し離れた場所ではフカセ釣りの常連たちが釣り座を構えており、その様子をうかがいながら釣果につながるヒントを得ようと思っていたのだが、常連たちも調子が上がらず、首をかしげながらいったん小休止してしまった。
そんな中、意外な釣法が主役の座に躍り出た。岩ガニをエサにテトラ帯を渡り歩く前打ち釣りの若い釣り人が、短時間で2匹のチヌを仕留めたのだ。
前打ち専用タックルを手に、テトラの切れ目や崩れを攻めての見事な釣果に、私も常連たちも脱帽。3月初めはまだ水温が低く、前打ちには本来であれば早い時期なのだが、定説にとらわれずに挑んだ若き勇者の作戦勝ちだ。
当日は中潮で8時過ぎの満潮、12時前の干潮。午前中は下げ潮となりエビまき釣りには条件が悪くなっていく。10時前まで粘ったが見切りをつけて、ウキサビキ釣りに転じることにした。