新型コロナウイルスの影響によるサカナの価格 サケも値上がり間近?

新型コロナウイルスの影響によるサカナの価格 サケも値上がり間近?

新型コロナウイルスの影響による「野生動物食用禁止宣言」や、長江での大規模な禁漁の影響を受け、中国では海水魚の消費量が増大すると考えられています。我々の食生活にも影響は出るでしょうか。

(アイキャッチ画像提供:PhoteAC)

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その他 サカナ研究所

長江で10年間の禁漁

新型コロナウイルスの感染が中国・武漢の野生動物市場で発生したという発表を受けて、中国政府は「野生動物取引と食用の即時全面禁止」を宣言、違反者は厳しく取り締まっていくという姿勢を打ち出しました。

またこれと前後して、中国最大の大河・長江で10年間の禁漁が決定されました。淡水魚に大きく依存している中国の魚食文化に影響が出ることは間違いなく、これによって食用海水魚の漁獲が増えていくことは間違いないと思われます。

身近な魚の値段が上がる?

しかし実は、中国における食用魚の需要は、これらの事象にかかわらず増え続けてきていました。そもそも世界人口の約2割を占める中国では、経済成長に伴う食料消費の増加と食生活の変化が続いてきており、魚介類の需要が増えているのです。

さらに、経済力が向上している都市部を中心に「高級品」である海水魚の消費がより増加していくことが考えられています。

新型コロナウイルスの影響によるサカナの価格 サケも値上がり間近?淡水魚は中国でも「懐かしい食べ物」になりつつある(画像提供:pixabay)

現時点では、中国は日本をはじめ様々な国に魚介類を輸出している純輸出国ですが、このまま需要が増大していけば純輸入国に変わり、国内での需要が減りつつある日本から魚介類を輸出するようになることも予想されます。

すでに一部の魚種では、中国の業者が日本の業者よりも高値で買付をするケースが出てきています。この傾向が増えていけば、日本国内での魚の価格が上昇し、我々の口に入りにくくなってしまう可能性もあるでしょう。

価格上昇の影響を受けている、もしくはうけるであろう魚種を紹介していきます。

すでに価格が高騰している魚

新型コロナウイルスの影響によるサカナの価格 サケも値上がり間近?サバ缶も高騰しつつある(提供:週刊つりニュース編集部)

サンマ&サバ

まず、すでに値上がりが著しい魚があります。代表的なものがサンマとサバ。

これらの魚の中国国内での需要増大をうけて、中国の漁船は北太平洋の公海まで進出し、漁を行っています。サンマやサバは、日本近海に回遊してくる前にこの海域を通るため、この海域での漁獲が増えると日本での漁獲が減ってしまい、結果として魚価が高騰してしまうのです。

悪質な違法漁業なども横行しているとされ、対策するべく日本は中国、韓国、台湾などと北太平洋公海の漁業資源管理を議論する「北太平洋漁業委員会(NPFC)」を設立。サバやサンマなどの乱獲を防ぐため、昨年から各国が操業を許可した漁船を同委員会に登録するよう義務付けています。(『SankeiBiz』2017.1.26「「悪質だ!」サバ乱獲中国船のブラックリスト化 水産庁、入港禁止など措置要求 」)

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