2月11日、人気上昇中の「宮崎サーフ」で、初めてオオニベを狙ってみた。型はともかく、まさかの本命を手中にすることが出来た。今回は、釣り場&ポイント探しから含めて、サーフゲームをお届けしよう。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター 楢崎人生)
怪しいポイント発見
暗くなってから再び竿を握る。水辺に立つ前に小高い丘からサーフ全体を眺める。生命感が感じられない。完全に沈黙している。日中にサーファーが多くて竿を出せなかった場所でもキャストを繰り返してみるが、やはりベイトが入っていないせいか、バイトは無い。
辛抱のキャストを重ねるうちに、待ちに待った時間が訪れた。潮が引き、かなり沖まで攻められる様になったのだ。今まで見る事の出来なかった海底が露出している。再度丘へ上がり見渡すと、一箇所だけ岬状の干潟が出来ている。波は岬のすぐ先で崩れている。つまり岬のすぐ先はブレイクになっているということだ。ここしかない。岬の先端に立ちルアーを遠投するとすぐに答えが出た。
本命のオオニベ登場
コツンコツンと竿先を叩くような小さな感触が伝わってきた。対オオニベ用の強靭なタックルの為、小型の魚では竿はほとんど曲がらない。テンションをかけ続けるため、波打ち際から離れながらリールを速巻きし、浜に上げた魚は何とオオニベの若魚だった。
あまりにも小さいので近似の他魚種である可能性が頭をよぎったが、簡易の判断基準である「頭部は丸みが少なく尖るような形」「側線が尾ビレの付け根からはみ出て長く伸びている」を満たしている。オオニベだ。
あまりにも小さいが、1匹は1匹だ。赤江浜でもオオニベが釣れた。あっさりと大願成就である。メーター超えたらまた会おうと約束を交わし引き波に放すと元気よく沖へ駆けて行った。
ドラグが止まらぬサカナの正体
ポイント選択に自信を得たので、歩き回らずにルアーチェンジを繰り返し岬で粘る事にする。それは遠投後の巻き始めだった。
根掛かりの様な重さを感じると同時にきつめに締めていたドラグが悲鳴を上げる。この引きはシーバスやヒラメ、青物でもない。魚はドラグを鳴らし続けながら沖へ出てゆく。
タックルを信頼してドラグをさらにきつく締め、強引に寄せる。「オオニベか!?オオニベか!?」と胸が高鳴る。
だがその緊張感も長くは続かなかった。東京湾で何度か味わった引きによく似ている。寄せてみると案の定。アカエイだった。オオニベを期待していただけに言葉もない。毒のトゲに注意しながらルアーを外すと、ちょっとよそ見をしている間に波に乗って日向灘へ帰っていった。
潮止まりから上げてくるタイミングまで釣る予定だったが、強い雨が降り始めた為あえなく納竿。若魚とはいえオオニベが釣れ、最後にアカエイというオチも付いて楽しい釣行となった。
今後の展望
赤江浜での釣り終了。大淀川はベイトの宝庫だが、赤江浜は潮の流れか地形的な問題か、その恩恵を十分に受けられていない印象を受けた。まだデータが少ないので予測の域を出ないがコバンアジとアカエイが釣れたという事は貝類や甲殻類が多い可能性がある。
一番の問題は、ただでさえ狭い赤江浜に大勢のサーファーが訪れていて、日中は釣りをする場所が狭い範囲に限定されてしまう事だ。こればかりはやむを得ない。私の様に暗い時間を狙うのも手だろう。
プラス要素としては干潮時に狙う沖のブレイクに可能性を感じた。オオニベの最盛期は過ぎているが、シーズンはもうしばらく続く。大潮の日を選んでまた岬の先端に立ってみたい。そんな気にさせてくれる浜であった。広大なる日向灘へ夢を残して、今日はこれまで。
<楢崎人生/TSURINEWS・WEBライター>
赤江浜