氷に穴を開けてワカサギを釣る穴釣りは一種独特の釣り方。雪と氷の幻想的な雰囲気とあいまって、とても楽しい釣りといえる。反面、フィールドの遠さや寒さとの戦い、装備の大変さなど、とっつきにくい部分が多いことも確か。しかし、防寒さえしっかりしていれば、レンタル道具で初心者でも楽しめる釣り場が多い。「楽しい氷上釣り」へ案内しよう。
竿
穴釣りは短竿しか使えない。
水温が高い時期のワカサギと違って氷上の時期は活性が低く、違和感を感じるとすぐにエサを吐き出してしまう。
わずかなアタリが取れる感度のいい穂先と、瞬時にアワセを入れられる軽い竿が適している。
短竿を大別すると、手巻きリール竿、電動リール竿、手バネと3種類ある。
最近は電動リール竿が普及しているので、これがベストだろう。
軽いオモリと細いPEラインを使えるものが多く、小さなアタリをとりやすい。
しかし気温が低いと、ガイドが凍ってしまうという問題がつきまとう。
テントや簡易ストーブなどで、周りの温度が氷点下にならないように注意する必要がある。
もっともシンプルなものは手バネだろう。
初心者からベテランまで広く普及している。
レンタルではこのタイプが多い。
安価だから現地で買って使ってもいいだろう。
ベテランはそれぞれにこだわりの竿を自作している人もいる。
いずれの竿も穂先の感度は重要。
ワカサギ釣り用の竿は電動でも手バネでも握りの部分と穂先の部分に分かれていることが多く、感度は穂先によって決まる。
ワカサギの食い気、水深、オモリ、エサなどの条件によってアタリの出方はまちまち。
釣り始めたら、まずはその日のベストの条件にいかに近づけるかが、その日の釣果を左右する。
仕掛け類
たぐりのミチイトは絡み防止のために、なるべく専用のものを使う。
イトの太さは慣れた人なら細めの0.6号、自信のない人は0.8号や1号を使うほうが無難。
氷上でも見やすいように黒やオレンジなどの着色されたものがいい。
電動リールのミチイトはPEラインの0.15~0.3号程度が適している。
ナイロンに比べて伸びが少ないので、より小さなアタリが穂先まで伝わりやすい。
仕掛けは特に氷上釣りに限定したものは少ない。
食い気のないワカサギ向きにはハリスの号数は細め、枝ハリスは長めが好まれる。
市販のものから穴釣り向きのものを選択する。
ハリの号数は魚が小さい、あるいは食いが渋いところでは0.5号という小さいものを使うが、通常は1号から1.5号の間でいい。
ハリの号数はメーカーごとに大きさが異なるので、現物のハリの大きさを見て判断する。
ハリの形は秋田狐と細地袖が代表的。
吸い込み重視なら秋田狐、バレ防止なら細地袖と考えておこう。
ハリ数は5~7本程度が扱いやすい。
オモリは仕掛けに付いているものもあるが、穂先の軟らかさとのバランスや水深による沈下速度の関係を考慮して選択する。
水深5m以下の浅いところでは0.5号(約2g)くらいでいいが、水深15mを超えるようなところでは2号(7.5g)以上を標準として、状況に合わせて加減する。
タナが底ベッタリの湖ではオモリ下バリを付けられるものがいい。
エサ
穴釣りではサシ、それも小型のラビットを用意したい。
ラビットはサシの小型のもので、現地の店で購入できる場合もあるが、入手できないときはサシをカットして使う。
ラビットを使用するときも、活性や魚体の大きさに合わせて必要ならカットする。
サシの色は白でも紅でも構わないが、穴釣りの場合はワカサギの活性が低いので普通の大きさのままのサシではほとんど食ってこない。
切って使うことが標準だ。
切り方でカットする量も重要な要素。
通常の食いなら1尾のサシの両端に隣り合ったハリを刺してサシの真ん中をハサミでカットする。
しかし氷上穴釣りではこれでは大きすぎることが多いので、ハリには3分の1くらい、状況によってはそれ以下を残し真ん中を捨てる場合もある。
カットすればするほど、エサ替えのひん度が増えてくる。
<週刊つりニュース関東版 APC・郡直道/TSURINEWS編>