クリスマスの伝統的サカナ料理『ハラースレー』 チキンに飽きたら好適

クリスマスの伝統的サカナ料理『ハラースレー』 チキンに飽きたら好適

街中はクリスマス一色。24日か25日にチキンを食べる家庭も多いでしょう。でも、実はハンガリーにはクリスマスの伝統サカナ料理「ハラースレー」なるものがあるんです。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

アバター画像 TSURINEWS編集部

その他 サカナ研究所

クリスマスにはチキン料理

クリスマスのディナーの定番と言えばやっぱりチキン!

そんな家庭も多いと思います。実はこの文化は昭和初期から始まった文化です。

もともとは、本場のアメリカで12月ごろに七面鳥を食べる文化がありましたが、これを日本がマネをしようとしたのが発端です。

海外の文化をたくさん取り入れていた昭和初期の日本ではアメリカの食事までマネをしようとしました。しかし、日本ではなかなか七面鳥を入手することが難しく、その代用として鶏肉を使うようになったそうです。

そのため、当時はフライドチキンではなく『ローストチキン』が定番となっていました。ではなぜクリスマスにフライドチキンを食べるようになったのでしょうか。

カギを握っているのは、あの『白いひげの眼鏡をかけたおじさん』のお店です。

クリスマスの伝統的サカナ料理『ハラースレー』 チキンに飽きたら好適クリスマスと言えばフライドチキン(出典:PhotoAC)

あの企業のキャンペーンだった

『白いひげの眼鏡をかけたおじさん』がいるチキンのお店でクリスマス用にフライドチキンを販売するキャンペーンを始めたところ、日本で爆発的に大ヒット!

これがきっかけとなりフライドチキンを食べる文化が生まれたと言われています。その結果、ローストチキンを食べる家庭もある中、手軽に食べられるフライドチキンが近年のスタンダードになってきています。

では、諸外国ではいったいどのような料理をクリスマスのに食べているのでしょうか?

クリスマスの伝統的サカナ料理『ハラースレー』 チキンに飽きたら好適ひげのおじさんがトレードマーク(出典:PhotoAC)

アメリカのクリスマスはローストビーフ

クリスマスの本場といえば、アメリカですが、本場のアメリカではクリスマスにはローストビーフを食べる家庭が多いようです。

「七面鳥を食べるんじゃないの?」

そう思った方も多いと思いますが、アメリカで七面鳥が食べられるのは、クリスマスの少し前にある感謝祭(アメリカの場合、11月の第4木曜日)であり、クリスマス当日は、ローストビーフやハムを食べるのが主流です。

もちろん、七面鳥を使ったローストチキンを食べる家庭もありますが、七面鳥とは違ったお肉を選んでいる家庭が多いようです。

世界的に見てもクリスマスに牛肉や豚肉を食べる国が多い中、実はある国ではサカナを好んで食べていると言います。

クリスマスにサカナを食べる国

クリスマスに好んでサカナを好んで食べる国、それはハンガリーです。ハンガリーでは、クリスマスに『ハラースレー』という魚のスープ料理が食べられます。

ハンガリーには海が無いため、普段は海のサカナを食べることがそんなに簡単ではありません。そのため、ハムやソーセージなどの肉の加工品が多く、普段からお肉を多く食べる傾向にあります。

しかし、クリスマスだけは違うのです。

クリスマスの当日やその前後だけは、お肉が大好きなハンガリー人もこの『ハラースレー』を食べます。普段はお手頃な川魚のコイやナマズが使われますが、クリスマスなど特別な日には、少しお値段が張る、海のサカナが使われます。

サカナが嫌いで普段はサカナを食べない人でも、「クリスマスだけは絶対にハラースレーを食べる!」と言って食べる場合もあるそうです。

『ハラースレー』ってどんな料理?

先ほどから名前が出てくる『ハラースレー』という料理が一体どんな料理なのだろうと気になっている人も多いはず。

それでは紹介していきます。

まず、ハラースレーというのは簡単に言うと、香味野菜と魚からじっくりと出汁をとったスープに、パプリカ粉で赤い色をつけ、トマトペーストで味を調整したものを指します。

辛いパプリカを使用するため、辛いスープとしても有名です。家庭やお店ごとに味や材料が異なりますが、特別な日には、二日酔いの効くとされるヒラメの身が使われることが多いようです。

日本人からすると、クリスマスにサカナのスープというのは、非常に新鮮ですね。

クリスマスの伝統的サカナ料理『ハラースレー』 チキンに飽きたら好適メイン食材は鯉(出典:PhotoAC)

『ハラースレー』のレシピ

本記事を読んだ方は今年のクリスマスにぜひ挑戦してみてはどうでしょうか。早速レシピを紹介していきます。

本場ハンガリーではコイなどの淡水魚を使いますが、日本ではなかなか手に入らないので、脂がのったブリや、タイなどの白身魚などを代用して調理するのがいいと思います。

材料(2人分)

  • 魚の切り身(白身魚がおすすめ) 約500g
  • 玉ねぎ 1個
  • パプリカパウダー 大さじ1
  • トマト水煮缶 100g
  • ローリエ 1/2枚
  • サラダ油 大さじ1
  • 水 800cc
  • 塩、こしょう 各適量
  • イタリアンパセリ 適量
  • レモン果汁 小さじ1

調理手順

1.サカナを一口大に、玉ねぎはみじん切りにする。

2.鍋にサラダ油を入れて中火で玉ねぎがしんなりするまでじっくりと炒める。

3.鍋に水を加えて、そこにサカナの身、パプリカパウダー、トマト水煮缶、ローリエを入れて煮立たせる。

4.アクを取りながら弱火でじっくりと1時間程度煮る。

5.レモン果汁を加えた後、火を止めて塩、こしょうで味を調えて30分休ませる。

6.弱火で再び過熱して完成!

たまにはチキン以外のメニューも

日本ではクリスマスにフライドチキンやローストチキンを食べるのが主流とされていますが、世界中で見た場合、クリスマスには様々な料理が食べられてます。

今回紹介したハンガリーのハラースレーや各国のクリスマス料理を、みんなで作りあってみるのも面白いかもしれません。

今年のクリスマス…一風変わったクリスマスのサカナ料理にぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?

クリスマスの伝統的サカナ料理『ハラースレー』 チキンに飽きたら好適今年のクリスマスはハラースレー(出典:PhotoAC)

<近藤 俊/サカナ研究所>