ヘラブナ釣り初心者入門 『両グルテンの宙釣り』で新ベラ攻略(第6回)

ヘラブナ釣り初心者入門 『両グルテンの宙釣り』で新ベラ攻略(第6回)

いよいよ新ベラの放流シーズンが到来し、管理池のヘラブナ釣りが面白い季節になった。今回はそんな新ベラ釣りに効果的な「両グルテンの宙釣り」のあれこれを、紹介したい。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・土屋ナオト)

アバター画像 TSURINEWS編集部

淡水の釣り ヘラブナ釣り

両グルテンの宙釣り

今回お届けするのは、この時期特に効果を発揮する釣り方「両グルテンの宙釣り」だ。グルテンエサは付けやすく、エサ持ちもよく、あまりブレンドもせずに使えるので初心者にもお勧めの釣り方になる。そして場合によっては例会や大会などの競技会においても好釣果を出せる釣り方だ。

渋い時期でも時には数10kgの釣果を出し、圧倒時な結果が出ることも珍しくない。私自身も大好きな釣り方の一つ。シンプルながらも独特のアタリや釣り方の感覚は、熱心に研究するファンも多い。今回はそんな両グルテンの釣りの基本的な釣り方を解説したい。

ヘラブナ釣り初心者入門 『両グルテンの宙釣り』で新ベラ攻略(第6回)新ベラの放流風景(提供:WEBライター・土屋ナオト)

グルテンとは

そもそもグルテンエサとは何か?答えは、たんぱく質の繊維であるグルテンと芋類を乾燥させたマッシュをフレーク状に砕いた物を調合したエサだ。ダンゴエサと同じく、マッシュのフレークが粗くなればなるほど開く性質が強くなり、細かくなればなるほど、開きが抑えられる。また、グルテン繊維が多くなればハリ残りし、粘りが出るのが特徴だ。芋の種類で重さもかわる。

ヘラブナ釣り初心者入門 『両グルテンの宙釣り』で新ベラ攻略(第6回)グルテンエサが新ベラに威力(提供:WEBライター・土屋ナオト)

この時期に効果的なわけ

なぜ、この時期は両グルテンの宙釣りが効果を発揮するのか?それは新ベラという要素が大いに関係してくる。全体としてヘラブナは、この時期気温の低下とともに活性が下がり渋い状態になるが、新ベラと言われる養魚池からこの時期に放流されるヘラブナは活性が高く釣りやすい。また、ダンゴエサを打つと旧ベラが寄り、釣りが複雑化してしまうが、グルテンは集魚材が入っていないため、水流や視覚的なアピールがほとんどになり活性の高い新ベラを狙って釣ることが可能になるためだ。

基本的なセッティング

基本的には長いサオで、沖を狙うことが多い。なぜなら新ベラは人の気配や物音に敏感で、できるだけ安全地帯である沖に固まることが多いからだ。新ベラは釣られたことがないため、引きが強いのも特徴。なので硬めのしっかりしたサオが好ましい。関西では沖を狙う時には18~21尺のサオを使用することが多い。

沖を狙うため、振り込みやすくする目的や旧ベラの層を通過させやすくする目的から、大きめのウキを使用する。そして、トップはエサの落下中の動きを表現しやすくするため、長めのPCムクトップを使用する。水深2m前後を狙う場合はボディ6cm、以降1m毎に2cm程度大きくする。これは活性によって使い分ける必要がある。エサ落ちメモリはウキのトップ5分の1ほどが入るように設定する。

ヘラブナ釣り初心者入門 『両グルテンの宙釣り』で新ベラ攻略(第6回)使用するウキ(提供:WEBライター・土屋ナオト)

ミチイトは0.8号を基準に、大型ばかりの場合は1号を使用することもある。風や流れが強い場合や、繊細なウキを必要とする場合は0.7号を使用することもある。

ハリスは0.4号を基準に大型ばかりの場合は0.5号も使用する。長さは基本的に長めを使う。これはグルテン自体が持ちやすい性質があるため、長さでアピールする目的がある。基準としては上50cm、下65cmにし、アタリがなければ長く(最長85cm)スレやエサ持ちが悪いと感じれば短くしていく(最短25cm)。

ハリは中軸でフトコロが広めの物を使用する。基準は6号で前後2号ほどのハリは準備しておきたい。エサ持ちが悪ければサイズアップし、反応がなければサイズダウンしていく。落下速度の兼ね合いだと考えればわかりやすい。

エサ

ヘラブナ釣り初心者入門 『両グルテンの宙釣り』で新ベラ攻略(第6回)使用するエサ一例(提供:WEBライター・土屋ナオト)

パターンA=新べらグルテン底100cc+へらグルテンLL100cc+水180cc
パターンB=グルテン四季100cc+へらグルテンLL100cc+水180cc
パターンC=新べらグルテン100cc+へらグルテンLL100cc+水170cc

パターンAは活性が高い状況で使用するエサを持たせやすいブレンドになり、Bは通常、Cは低活性で使用する。あまり難しく考えずにどのパターンでアタリが多いかという選択をする。

グルテンの作り方は水を入れてから二本の指で素早くムラがないようにかき混ぜて、2分ほど放置し、練らないように掘り起こすようにエアーを含ませて使用する。また、エサ付けもできるだけ練らないようにハリに圧をかけるイメージでエサ付けする。

タナは1本半(1.5m)からスタートし、反応がなければウキ1本ずつ深くしながら反応の出るタナを探っていく。

基本的な釣り方

1、魚を寄せる

親指の爪ほどの大きさに取ったエサを練らないようにエサ付けし、トップがギリギリ沈没するように圧をかける。魚が寄っていない状況でエサが持っていないと魚が寄った状況では釣るのか難しい。最初は沈没していても魚が寄ると沈没しなくなるようなイメージだ。

ヘラブナ釣り初心者入門 『両グルテンの宙釣り』で新ベラ攻略(第6回)エサ付け(提供:WEBライター・土屋ナオト)

2、アタリをアワせる

魚が寄ると新ベラはいろいろなアタリを出す。基本は沈没しかけたウキが勢いよく消し込む。そんなアタリが理想だが、トップの根元から小さくアタるアタリ(ハリスがまだ張る前のアタリ)やムズムズと上下を繰り返す(居食い)のようなアタリもあるため、いろいろなアタリに手を出すことが大切だ。

次のページで状況別の対処法を解説!