【西日本編】11月に旬を迎える海の幸4選 沖縄の「クビレヅタ」とは?

【西日本編】11月に旬を迎える海の幸4選 沖縄の「クビレヅタ」とは?

日本は四方を海に囲まれた島国であり、季節や場所によってスーパーに並ぶ魚介類も様々。特に秋は、産卵や冬に向けて、脂が乗り太った美味しいサカナがたくさんいます。今回は、なかでも11月に旬を迎える西日本のサカナを紹介します。

(アイキャッチ画像作成:TSURINEWS編集部)

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11月の関西地方の旬『ハモ』

6月や7月が旬だと言われている「ハモ」ですが、実は11月の晩秋の時期にも旬を迎えます。

たしかに梅雨の時期のハモも9月頃の産卵期に備えて脂がたっぷり乗っています。しかし、冬の間、冬眠をするハモは熊と同じで一冬越すためにエサを沢山食べてエネルギーを蓄えます。

それがまさに晩秋の11月頃に当てはまるのです。

日本では鱧の旬が夏であると誰もが考えているため、この時季は比較的に安価で食べることができます。

【西日本編】11月に旬を迎える海の幸4選 沖縄の「クビレヅタ」とは?ハモ(出典:PhotoAC)

代表的な食べ方

ハモといえば「湯引き」がもっとも有名ですが、淡白な身はどのように調理をしても美味しくいただけます。

少し背伸びをして「ハモの天ぷら」を食べてみるのもいいかも知れません。天つゆは使わず、塩のみで食べるのが”通”。

ハモ本来の甘味を味わってみてください。

また、ハモの調理でもっとも特徴的なのが「骨切り」ですが、『音も食べる』と表現されることもあるため、調理シーンが見られる場合は目をつぶって、耳で楽しむといいかも知れません。

11月の中国・四国地方の旬『ズワイガニ』

ズワイガニは地方に寄ってブランド化されていますが、中でも山陰地方で水揚げされたオスのズワイガニは「松葉ガニ」と呼ばれています。

松葉ガニは資源保護の為に漁期を定めて漁が行われています。その期間は基本的に毎年11月6日から3月20日と定められており、この時期でしか新鮮なズワイガニを食べることができません。

中でも特に最上級の品質のものは「五輝星(いつきぼし)」と呼ばれ、5つの基準をクリアしているカニのみが「五輝星」を名乗れます。

かなり希少で、2015年の初競りでは70万円を記録したほど。

このレベルはなかなか食べることができませんが、一年に一回くらいはご褒美として食べるのも悪くないかも知れません。

※5つの基準

1.甲幅が13.5cm以上 
2.重さが1.2kg以上 
3.脚がすべてそろっている 
4.鮮やかな色合い 
5.身が詰まっている

【西日本編】11月に旬を迎える海の幸4選 沖縄の「クビレヅタ」とは?松葉ガニ(出典:PhotoAC)

代表的な食べ方

現地を訪れた時にしか食べられないのはやはり「かに刺し」でしょう。冷凍ではない、活きた松葉かにでしか味わえません。

氷水にさっとくぐらせると、身がホロホロと開いていき、「花が咲いたような常体」になります。軽く醤油をつけて、かにの甘さを味わうと同時にプチプチの食感も楽しんでください。

素材の旨味をそのまま味わう、まさに贅沢な食べ方でしょう。

11月の九州地方の旬『カマス』

干物で食べられる事が多く、関東ではあまり生食での流通が多くない魚ですが、九州では漁獲量も多いため、様々な食べ方で親しまれています。

水揚げ自体は通年されているようですが、旬は脂がのってくる秋から初冬辺りは脂もたっぷりで食べごろです。

市場に出回るカマスは数種類おり、その中でもアカカマスは味の良さもあって、最も人気があり値段も高くなります。しかし、市場では細かく種類ごとに名前を分けず、総称してカマスと呼ぶことが多いため、他の種類と間違えないように注意が必要しましょう。

「本カマス」と呼ばれることもあるので、『これは本カマスですか?』と聞くと間違わずに済むでしょう。

【西日本編】11月に旬を迎える海の幸4選 沖縄の「クビレヅタ」とは?アカカマス(出典:PhotoAC)

代表的な食べ方

カマスは身がやわらかく水分が多いので、あまり刺身には向かないですが、鮮度のいいアカカマスは刺身が絶品です。

透明感のある白身で、鮮度にもよりますが歯触りも良くほんのり甘味があるのが特徴です。また、カマスと言えば干物と思う方も多いように、干物を網で焼けば脂が滴るほどシューシーでふっくらとした白身を堪能できます。

11月の沖縄地方の旬『海ぶどう』

沖縄の名物とも言える「海ぶどう」。

噛んだときのぷちぷちとした食感とほんのり鼻から抜けていく磯の香りが最高の海藻で、正式名称は「クビレヅタ」と言います。

1年中食べることができますが、冬から春にかけてが旬と言われており、この時期の海ぶどうは特に身に弾力があり、食感が楽しめる季節です。

【西日本編】11月に旬を迎える海の幸4選 沖縄の「クビレヅタ」とは?海ぶどう(出典:PhotoAC)

代表的な食べ方

海ぶどうと言えば、サラダや刺し身などのイメージがありますが、沖縄では【てんぷら】で食べるのがポピュラーです。

居酒屋の定番メニューにもなっていて、酒のつまみにぴったりです。外はサクサク、中はプチプチで食感が絶妙。

海ぶどう自体に自然な塩気があるので何も付けずにおいしく食べられます。間違いなく箸が止まらなくなる一品です。

<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>