12月に入り、例年よりも寒いと感じる今シーズンだが、中紀ではまだ水温が20度前後と温かく、今年の磯シーズンはややスタートが遅いのかな? と思ってしまう。だが、もう12月なので、そろそろ今シーズンも始動しようと12月4日、中紀・大引に出掛けることにした。
重いハリで潮のヨレをうまくとらえる
当日の天気予報は曇りで、波風ともに穏やかだと予想して前日に船長に確認すると、「ちょっと風は吹くかもしれないが大丈夫」ということで、ボイルオキアミ3kgを持って出発。
大阪市内からは高速道路利用で1時間ちょっとで着く。
出船すると、アシカの子が意外にも空いていたので、上げてもらった。
朝一番は水道の低場から、上り潮の本流狙い。
00のウキに8号のグレバリをつけてオモリなしで本流の中へ仕掛けを流し込んでいく。
8号のハリと聞くと、やたらと大きな印象を持つかもしれないが、流れの速い大引の磯と、使用するエサがボイルということもあって、大きな重たいハリはとても相性がいいように思う。
また重いハリは、極力オモリを使わない釣りを展開したいので何かと都合もいい。
アシカの水道の本流筋の中でも、仕掛けは潮のヨレをうまくとらえてしっかりなじんでいく。
開始からエサが触られている痕跡が、戻ってくるさしエサから感じられるので、グレの可能性が高いと判断した。
そこで仕掛けが浮き上がってしまうのではないか?と思うほどの強い張りを作りながら仕掛けを流す。
すると、サオ先に少しもたれるような感触を感じたので、リールからパラパラ出ていくラインをピタリと止めてみる。
するとグーッと重さが伝わってきたので、軽くサオを立ててやり取り開始。
グレ独特の気持ちのいい引きが伝わってくる。
やっぱりこの釣りは楽しい。
タモなしで磯に引きずり上げたのは35cmの口太グレ。
ウキの変化を見逃さない
今度は白崎向きに釣り座をかえて、目の前の潮目を狙ってみる。
グレが浮いていると判断して、タナを1ヒロ半、ウキはG2でオモリなしという仕掛けで潮目を流す。
少量のまきエサをまいて、仕掛けをそこにピタリと合わせると、触っている感触はある。
けれどウキに反応が見られない。
試行錯誤してジンタン5号をハリスの真ん中に打ってみると、若干ウキの頭を押さえたので、すかさずアワセを入れるとヒット。
先ほどと同サイズだ。
まきエサをまくと、まいたときだけ沖の潮目に魚の気配を感じるので、次はそのタイミングに合わせてそこに仕掛けを流してみた。
半信半疑なくらい、うっすらと魚が見えるような気がする。
だいたいそういうときは、自分が思ってるよりサイズが大きい場合が多いので気持ちを集中すると、一瞬、ウキの頭がカクンといった感じで押さえこまれた。
これを見逃すと何ごともなかったように、ウキはそのまま流れていき、さしエサもちょっとかじられるだけだ。
あまり変化もないので、何も気がつかないことが多いのだが、気持ちを集中していたので見逃さず即アワせると魚の重みを感じた。
足元のハエ根周りで何度もウロウロされてヒヤリとしたが、無事タモに収めたのは43cmの良型グレで、丸々太ってパンパンだ。
見た目はかなり大きく見えるのが寒グレの特長で、引きも強い。
早速の良型に満足して釣り座を仲間に譲り、私はちょっと早い弁当を食べることにした。
その後、1匹追加して昼から雨が降ってきたので、午後2時の船で帰ることにした。
楽しい時間は一瞬ですぎる、帰りの車中も仲間と楽しい時間を過ごしながら帰宅した。
<週刊つりニュース関西版 APC・関栄一/TSURINEWS編>
上野渡船