秋風が吹き出すといよいよ乗っ込みガレイシーズン到来。また、時を同じく落ちギスも釣れる季節になる。しかしまだまだこの時期は水温が高く、エサ取りも多い。エサ取り対策の一つとして重宝するのが「塩虫」や「塩蔵エサ」と呼ばれる塩で締めたゴカイやイソメなどの虫エサだ。今回は作り方と種類別の使い方を紹介しよう。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
エサ取り対策の「塩虫」
9月に入っても厳しい暑さが続いているが、朝夕は少しずつ涼しくなってきた。これから秋風が吹き始めると、カレイ釣りファン待望のシーズンがやってくる。
ただ、まだまだ海水温は高くて、ベラやカワハギなどの夏魚も多く、嫌われもののクサフグも大量に居ついて、厄介なエサ取り集団となる。この集団がカレイ狙いの高価な虫エサに片っ端から食い付き、生エサでは秒殺されて海底に潜むカレイの口まで届かない。
そこで、生エサを塩で絞めて硬くした「塩虫」を使う事が多くなる。この「塩虫」がエサ取りの多い時期には何と言っても強い味方になる。
遠投&再保存が可能!
塩虫にできるのは、マムシ(ホンムシ)、コガネムシ、アオイソメ、イシゴカイ、チロリなど。塩虫のメリットは、身を塩で絞めているので、硬いためエサ取りに強い事。また、身切れが起こりにくいので、フルスイングする遠投にも使える。
冷蔵庫に保管すれば、いつでも好きな時に釣行することでき、エサ店に行って、エサ切れで買えない心配もない。もちろん、釣り場で余れば、そのまま持ち帰って冷蔵庫に再保管すれば、また使える。
ニオイなどの難点もあるが…
デメリットは、やはり「本当に釣れるのか」という不安だろうか。食いに関しては、身が硬いので生エサには絶対に負けてしまうのは仕方がない。
しかし私も使うのは、ほとんどの場合、エサ取りが非常に多い時期だけ。ただ、塩虫でも数々の大物をゲットしているので「釣れる」という確信をもっている。
後は、家庭用の冷蔵庫に入れると、家族からは「クサい」とか「汚い」というクレームが出る事だろうか。私はエサ用の冷蔵庫があるので、奥様も黙っているが。
「塩虫」の作り方
用意するものは
・できるだけ新鮮な虫エサ
・塩
・エサを洗うバケツ
・タオル
・新聞紙
・ボウル
・できたエサを保管する保存パック
・片栗粉
塩は目の細かい食卓塩よりも、塩粒が粗いものが最適。古いもので、湿気があると水分をよく吸い取らないので注意してほしい。大量に使うので安価なもので十分。
作成の手順
作り方もとても簡単なので、作業工程を紹介しよう。
1、使用するエサを洗浄する。
釣りエサ店で購入すると、バーミキュライト(ひる石)が入っており、また砂などの汚れもあるので、バケツに塩水を作り(海水ぐらいの濃度)エサを洗う。真水で洗うとアオイソメやチロリではブツブツと切れてしまう恐れがあるので注意。
2、余分な水分を取る
洗ったエサをタオルに並べて軽く水分を取る。
3、塩をふり、混ぜる
ボウルに水分を取ったエサを入れ、塩をたっぷりと入れて、エサ全体に塩が回るように軽く混ぜる。これでエサは絶命するので、このまま1時間ほど放置する。
4、乾燥させる
ボウルの底にはエサから出た水分がたっぷりと溜まっているので、エサを取り出して、広げた新聞紙に1匹ずつ重ならないように並べる。これはエサに残っている水分を抜くため。
5、新聞紙を交換する
このまま約1時間放置してから、新聞紙を取りかえて、また並べて約1時間放置。エサの水分を抜く時間の調整で、しっとりと仕上げたり、硬めにしたりできるので、エサをもっと硬く仕上げるには、もう1回同じ作業をするといい。
6、最後に片栗粉をまぶす
最終段階で放置したエサに片栗粉をまぶす。これは粒子が非常に細かい片栗粉をまぶす事により、塩虫から余分な水分が抜けていくのを防止できる。私はあまりカチカチにしないのでこれがベスト。
7、完成した塩虫の保存方法について
作成した塩虫を保存パックなどのパッケージ容器に入れて保管する。保管期間は1週間以内に使用するなら冷蔵庫に、それ以上なら冷凍庫に保管するのが目安となる。ただ、どうしても冷凍焼けしてしまうので、劣化しないように早めに使用するのがいいだろう。