夏真っ盛りの8月前半、三重県・南伊勢町迫間浦にある日乃出屋 のイカダに出かけた。今回は娘の美月と、娘の同級生の男子2人も一緒。3人は大の仲良しで釣り好きの小学5年生だ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・川中みちよ)
子供達とイカダ五目釣りへ
出船は午前6時半。子供たちにとっては目に映る何もかもが新鮮で、緑豊かなフィールドに心を浮かせていた。
イカダに到着すると水面にはトウゴロイワシの群れ。ウロコが硬く処理しづらいため外道として扱われることも多いが、生きエサとして活用すれば大物に化けることも。今回はサビキでアジやサバなどを狙いながら、同時に大物も狙っていく作戦だ。
サビキ釣りで多彩な魚種と戯れる
子供たちがサビキを投入すると、早速上がってきたのは15cm級のアジ。鈴なりとまではいかないが、朝マヅメの時合いに乗ったようだ。ただし、回遊魚なので群れが移動すれば状況も変わる。
続いて入ってきたのはゼンメ(ヒイラギ)の群れ。しばらくはゼンメのヒットが続く。それが落ち着いたところで狙いを変更。まきエサの効果で、イナダの群れが中層まで上がってきている。
美月がブランカ12gを投入すると、すぐにヒットしたのは20cmのマハタだ。これを見て狩猟本能が呼び覚まされた男子たちも、小アジをエサに泳がせ釣りを開始。エサとなる小魚が自由に動けるようにテンションを緩め、じっとアタリを待つ。
謎の大物登場に大興奮
ヒラメのような魚は一度食いついてから徐々に飲み込むため、アワセのタイミングが難しい。逆に青物の場合は一気にサオが絞り込まれるので、サオを持っていかれないような対策が必要だ。
だが、泳がせ仕掛けには一向に魚の掛かる気配がない。そこで別のサオにチョイ投げ仕掛けや胴つき仕掛けをセットし、イソメや練りエサで様子を見るが上がってくるのはフグばかり。
そんな時、絃志郎君の置きザオが突如絞り込まれた。魚の気配は確実に感じられたが、それもつかの間。ハリには食い千切られた小アジだけが残り、謎の大物は幻影となってしまった。だが、大物のアタリに子供たちは興奮を抑えきれないようだ。
サビキでもイナダが釣れることをアドバイスすると、すぐに絃志郎君がイナダをキャッチ。だが、過去に1kg級のタコを釣っている勇人君と美月の2人は、どうしても生きエサで釣りたいらしい。
さらに嬉しいお土産ゲット
諦めずに粘ってみるものの大物のアタリはなく、サビキで小アジとゼンメをポツポツと追加するうちに時刻は正午。まだまだ釣りたい3人組だが、猛暑は依然として勢いを弱めない。
この暑さのなかで無理をするのも危険なので、安全面を考慮してここで終了。納竿時に虫エサを付けたサオを回収すると、マハタとキスが付いていた。
イカダはファミリーにオススメ!
イカダ釣りは一見するとハードルが高そうに思えるが、実は初心者でも気軽に楽しめる釣りだ。船が苦手な人やファミリーにもオススメしたい。ただし、騒がない、余ったエサを海に捨てないなど、決められたルールがある。帰る際にはイカダの上を掃除し、貸出品の返却も忘れずに。もちろんライフジャケットの着用は絶対だ。
自然との関わりは豊かな心を育み、そこで得られる知識や好奇心、探究心は知恵を生み出す原動力となる。それらは子どもたちの成長の糧となり、長い人生において生きる力となるだろう。
食物連鎖の過程で命をいただくということ、私たちの暮らしが生態系に与える影響。釣りを通じて学べることは多い。これから秋に向かい、絶好の釣りシーズンを迎える。親子でイカダ釣りにチャレンジしてみてはいかがだろうか。
<週刊つりニュース中部版 APC・川中みちよ/TSURINEWS編>