秋を迎えて水温が徐々に低下の傾向になると、いよいよ磯ではイシダイやイシガキダイなどの底物が好シーズンを迎える。関西圏では秋の好釣り場として中紀の各釣り場が有名だが、関西から少し足を伸ばして島根・隠岐諸島へと向かう底物師も多い。そこで今回は秋に期待が大きい、中紀及び隠岐諸島のイシダイ釣りポイント2箇所を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・木村俊一)
秋のイシダイはパワフル
いよいよ秋磯では底物シーズンが近づいてきた。関西地方のイシダイ釣りは春夏秋冬のうち、真冬を除いて狙うことができる。中でも秋はイシダイのパワーが最も強くなる時期。アタリも大きく、初冬まで活発にエサを食ってくるので、この時期を見逃す手はない。
近場とプチ遠征の2大釣り場
関西から行けるイシダイ釣り場のうち、秋に期待ができる近場で言うとには太平洋側に紀伊半島、少し足を伸ばして日本海側に隠岐諸島などの広大な釣り場がある。
食味に定評のある紀伊半島
紀伊半島は何と言っても京阪神からは交通の便に恵まれている。とくに初秋から威力を発揮してくるのが、中紀エリア。特に由良町周辺の釣り場だ。紀伊水道に面していて天候にも強く、大阪からも近い。
それに何と言ってもイシダイの多さと食味に定評がある。中小型中心だが、とにかく数が出るので、これからイシダイ釣りを始めてみようという人にも最適な場所ではないかと思う。
1日にイシダイ7尾の日も
由良周辺には、大引をはじめ衣奈・黒島や神谷・アリ島などの好釣り場が並んでいる。私自身、2018年の秋には、9月中旬に衣奈・黒島のオオカベで40~47cmのイシダイ7尾(週刊つりニュース取材時)を皮切りに、大引・ヒジキ島でも50cmを頭にイシダイ、イシガキダイを1日5尾など、釣果に恵まれている。
そして、11月初旬までの1カ月半に30尾のイシダイ、イシガキダイを釣り上げることができた。兵庫・尼崎市の自宅から1時間40分で釣行できる場所での釣果なので、文句のいいようがない。
竿下と30m沖辺りが狙い目
中紀でのイシダイ狙いのエサはガンガゼウニがメインとなる。サザエやヤドカリなどで狙っている人もいるが、ウニでいい釣果が出ている。
中紀のポイントは竿下と、少し投げて30m沖辺りを狙うとアタリが多い釣り場が多い。詳しい投点は渡船店で聞いてみよう。仕掛けは数釣りがメインとなるので、小ぶりのものを使うと効果的。
初秋からの時期は、台風が日本列島に近づいてくる時期でもある。特に地球の温暖化が原因なのか、近年は台風が多発している。中紀の釣り場は紀伊水道に面していて、南紀方面よりは台風のウネリなどの影響が少ない地域だ。
「サッと出かけて、サッと帰る」ことが可能な釣り場だ。したがって竿出しできる機会も多く、イシダイ師を楽しませてくれそうだ。
和歌山・中紀エリア
隠岐諸島のイシダイ魚影は特筆モノ
島根・隠岐諸島のイシダイ釣り場は山陰地方でも特筆の魚影を誇っている。京阪神からは少し遠い釣り場だが、出かける価値は十分にある。島前、島後と島が分かれていて、島前は島根半島の七類から直行の高速渡船が出ている。知夫里島と西の島、中の島地区の島前3島が釣り場となる。島後は七類からフェリーあるいは航空便を利用しての釣行となる。
今年は海の荒れる日が多いものの、出かけられればいい釣果が出ている。島後の中村地区では8月初旬に3日間で40~60cmのイシダイを15尾という爆釣も出ている。ポイントによって釣果に差があるものの、大釣りの可能性も控えている。遠投で良型がヒットする
60cm超も望める
このエリアは遠投での釣りで良型が仕留められている傾向があるので、遠投での釣りを楽しみたいというイシダイ師にはうってつけの釣り場だ。もちろん竿下の近いポイントでもいい釣果が出ているのでどちでも楽しめる。釣れるイシダイの型がよく、60cm超もしばしば顔を見せてくれる。
捨てオモリ式がオススメ
エサはサザエやバフンウニを使用。サザエは現地で入手できるので新鮮なものが使える。海藻の多い場所なので、捨てオモリ式で捨て糸を長くとる方がアタリは多いようだ。遠投での釣りは遠投用のテンビンなどを使うといいだろう。
また、隠岐諸島は日本列島がちょうど防波堤のような役割になっていて、太平洋側の釣り場が全滅に近い状態でも、隠岐諸島は凪ということもままある。
島根・隠岐諸島
お好みのフィールドへ出かけよう!
日数や経費、釣果の安定などの面を考えれば中紀の釣り場は願ってもない場所ではないかと思う。近年は私たちの釣りクラブも毎年、中紀でイシダイ釣り大会を開催している。
日程にゆとりがあれば隠岐諸島で一発型物を狙うのも面白いだろう。秋の好シーズンを迎えて手軽な中紀、時間は掛かるが大型が濃い隠岐諸島と、お好みでイシダイの引きを味わって欲しい。
<木村俊一/TSURINEWS・WEBライター>