伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「GD(グルテンダンゴ)を用いた浅ダナ両ダンゴ」。デビューしてまもなく数か月がたとうとしている新エサを使って伊藤がメーター両ダンゴを披露する。今回は実釣時の模様を紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部)
伊藤さとしのブレンドとタックル
取材時、伊藤はまず以下のブレンドを作った。
GD200cc+浅ダナ一本200cc+バラケマッハ200cc+水150cc。カルネバではなく浅ダナ一本にすることで、より軽さと膨らみを重視したタッチだ。
裏書き通りのブレンド(GD+カルネバ+バラケマッハ)でスタートしなかったのは?ちなみにエサの打ち始め時刻は7時半ごろ。ウキはいつもの標準よりもやや大きめを選択した。
エサのブレンドと使い方の注意点
「池を見渡すとあまり竿が立ってなかった。放射冷却で冷え込んだせいなのか、ちょっと食いが渋いよね。いつもならこの時間でバンバン竿が曲がっているはずだから。」
同池の釣況に詳しい伊藤ならではの選球眼で、エサをより軽くしたほうがベターと判断してのブレンドなのだろう。
「このブレンドの特徴はとにかく軽いこと。アピール力重視とも言えばいいかな。とにかくハリの落下途中に反応させてナジみきるまでにアタらせる。」
つまりウキが立ってからナジみきるまでの一発取りに特化したブレンドですね。使い方の注意点などはありますか?
「あえて挙げるなら小エサかな。タナまで持たないなら大きく付けたりもするけど、基本は小エサにする。」
なぜですか?
「魚がいなくて寄せる必要があるならエサをたくさん入れるけど、魚影の濃い武蔵の池でそれはあり得ない。しかも両隣に釣り人はいない。であれば寄りをキープできるだけのエサ量があればいい。寄せ過ぎはかえって釣りづらくなるだけだからね。」
なるほどそれは道理ですね。
「あとはGDの特性を生かすのが前提ならば、タナに届いた時のエサのサイズは小さめがいい。」
と言いますと?
なぜエサのサイズは小さめがいい?
「タナに届くまではノーバラケ、届いてからは早く大きく膨らむ。これがGDの特性だよね。ならばエサを大きく付ける意味がないし、むしろ大きく付けるとタナで膨らんだ時にはもっと大きくなってしまうよね。まああくまでイメージの話だけどね。」
しかも現況が食い渋り気味と仮定してのスタートなのだから、ナジミ途中の攻撃が普段よりも少ないと予想できる。ならば小エサでも容易にタナまでエサが持つ。こういう理屈ですね?
「そのとおり。しかも食いが渋いときに大エサ(水の中で膨らんだ状態でのサイズ)を食わせようとすると、カラツンを助長するようなものでしょう。だから今のところは大エサ(ハリに付けるサイズ)は必要ないよね。」
GDを使ったエサの対応策
打ち始めると、確かに最初の30分ほどは反応が悪かった。アピール力重視のブレンドをもってしても、ヒット率はポツポツといったところ。だが日が昇って暖かさが戻ると、途端に魚の食い気にスイッチが入った。と同時に、これまでのエサ使いやハリ付けではタナまでエサが持たなくなる。そこでややハリ付けサイズを大きくしたり、軽く押し練りなどをして対応していたが、やがてそれも限界がきた。
「当たり前のことだし予想どおりだよね。ここから通常の両ダンゴなら練り込んだり粉を足して硬くするのがよくある対応策だけど、GDを使ったブレンドだと、硬くするのはありだけど練るのはよくないね。なぜならGD最大の特性でもある膨らみを殺してしまうことになるからね。」
そこで次号では、この先に伊藤がどう対応したのかをみていくとしよう。
次回もGD(グルテンダンゴ)を用いた浅ダナ両ダンゴです。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>