7月後半、福井・嶺南エリアの早瀬港から出船して、美浜沖でマイカ狙いのイカメタルを楽しんだ。雨空だったが、雨天はマイカには好条件。パラソル級の親イカや新子イカたちが入れ交じって入れ乗りタイムもあり楽しいゲームとなった。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・牧野広行)
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雨天はマイカゲームに好都合
当日お世話になった早瀬港の美浜釣り船センターによると、前日の半夜釣りは、曇り空の満船で1人平均34バイの好釣果との情報を得た。当日は、あいにく終日降雨でカッパを着ての半夜釣りとなったが、雨空が好機と知るベテラン勢が集結した。
釣り開始早々から入れ乗り状態となり、小一時間でツ抜け(10匹以上)となったものの、なんとメーター級のシイラの群れや上層ダナまで浮き上がった大型エソの群れに邪魔され大苦戦。
こうなれば海底から海面まで全層からマイカをテクニカルに誘い出さざるを得ない。結果、深夜12時まで降りしきる梅雨の中、同船者の皆さんの頑張りで平均釣果20匹を超え、めでたく納竿となった。
テンション抜けのアタリ
最初のポイントは美浜沖の水深70mライン。船長がイカリを下して釣り開始をアナウンスしたのは7時過ぎ。当日の私の釣り座は左舷ミヨシ。まずは船長指示の20mラインに仕掛けを投入した。しばらくはアタリもなかったが、その瞬間は突然きた。
8時前、「昨日の釣りが始まったのは8時半過ぎでした。そろそろですよ」との船長のアナウンスの直後、私の手持ちロッドのティップがかすかに上下に数mm震えたかと思うと、スーッと浮き上がり、ロッドの曲がりが失せストレートになった。
いきなり親イカ+新子のダブル
「食い上げいただき!」とロッドで静かにアワわせると、竿先にはズシンという衝撃、そして竿先は一気に水面に舞い込んだ。かなりの重量感だ。初ヒットを逃さないように慎重にリールのハンドルを巻き上げると、船縁の水面下にはドロッパー(エダバリ)にガッチリとヒットした30cm超えのパラソル級マイカの白く揺らめく魚体が浮かんできた。
これを慎重に抜き上げると、なんとその下の鉛スッテにヤクルトサイズの新子がヒットしているではないか。船の下の浅い棚にはかなりのマイカの群れが回遊しているようだ。
乗せ調子のロッドが大正解
その後、1時間ほど怒涛の入れ乗りが始まった。狙いのレンジまで仕掛けを投入すれば、すぐさまアタリが出始める。
当日私の選んだロッドは、ソリッドティップの極軟胴調子ロッドで、軽めの鉛スッテでもきれいなベンディングカーブを描き、繊細なマイカのパンチにも違和感なく抱かせることができ、ロッドティップの微かな揺らめきを知らせてくれる。当日のように、ウネリの小さな海上では絶大な威力を発揮する武器と感じた。
当日のタックルは、イカメタルロッド7ftに小型両軸リールを装着、ラインはPE0.4号、リーダーはイカリーダー1本枝(3号)、ドロッパーにはEZ-スリム80mm各色、鉛スッテには四ツ目やEZ-ベイトメタルの10~15号を選んだ。
突然登場した「悪役」
ところが、入れ乗りラッシュで獲物も10匹を超えた9時前、あれほど好調だったアタリもピタリと止まってしまった。そして、ごくわずかなアタリでやっと乗せた新子を巻き上げていると、海面下数mでいきなりドラグが悲鳴を上げ、リールから極細PEラインが引き出され、あっという間にラインが高切れしてしまった。
すぐさま海面下を凝視すると、1m近いシイラの群れが回遊しているではないか。先ほどまで海面下8mラインでもヒットしていたマイカたちも、このシイラの群れを恐れ、どうやら深棚ダナ隠れてしまったようだ。
パラシュートアンカーで流し釣りへ
これに気付いた船長は、シイラの群れから逃げるようにイカリを上げパラシュートアンカーで船を流し始めた。それでも、深ダナを狙えばヒットしたマイカを狙うエソが邪魔をする。上層も下層も悪役ぞろいの大ピンチだ。
深ダナのテクニカルゲームも面白い
パラシュートで流し始めたタイミングで、一気に仕掛けを深ダナ60mラインに落とす。そして、数m巻き上げては長めにステイさせ、時には誘いを入れていく。しばらくすると、徐々にヒットが出始めたが、ヒットレンジは50~30mラインにとどまっている。どうやらシイラの回遊も続いているのだろう。
先ほどの入れ乗りにはないが、深ダナのテクニカルゲームもまた楽しい。納竿の深夜12時まで、巻き上げ途中でエソにマイカを取られないように、スムーズな巻き上げに心がけながらゲームを続けていくと、アタリは散発だが確実に釣果を増やすことができた。
最終釣果は?
繊細なアタリをとらえるテクニカルなイカメタルゲームの面白さを楽しみながら、釣り開始直後の入れ乗りと、その後の深ダナハイプレッシャーゲームの二本立ては大満足の釣行だった。
深夜12時に納竿を迎えて、釣果はパラソルと新子を取り混ぜて23匹。モッチリしたパラソルマイカと甘い新子の刺身は格別でしたよ。
<牧野広行/TSURINEWS・WEBライター>