和歌山県串本大島の樫野で梅雨グレの気配が出てきたとの情報を受け、6月17日はフカセ釣りの名手・前西喜弘さんとその状況を探ってきた。
後半はサラシ狙い
この後もしばらくは沖向きを狙ったが、良型はぽつぽつ。次第に当て潮になって釣りにくくもなってきたので、釣り座を地方向きに変更する。が、こちらは大島と大サバの間にある小磯にもまれた波がサラシを作り、さながら洗濯機のよう。梅雨のサラシ狙いは常套手段だが、こんな場所で釣れるのか?
「こんな場所で?と思われるかもしれませんが、普通に釣れます。むしろ、こんな場所だからこそ、今日みたいにコッパの多い日は良型が食ってくるんです!」と、おもむろに仕掛けを投入する前西さん。
サラシから32cmグレ登場
沖向きと同様、まきエサを3杯打って仕掛けを入れ、追い打ちのまきエサを3杯。しばらくサラシにもまれているうちにウキが沈んだ。
「ウキが沈んだらラインを軽く張って、沈みすぎないようにします。また、あまりサラシに揉まれるようなら、一度引っ張ってウキを海面に引き上げます。アタリはウキに出るのはもちろん、手元にくるものもあります。」
解説しながらサラシを狙っていると、突然前西さんがアワセを入れ、大きくサオを曲げる。ヒットさせたのはなかなかの良型の模様。白泡の中から浮き上がってきたのは、この日一番のグレ32cmであった。
「アタリが出たら大きくアワせ、グレを上に向かせるのがコツです。そうしないと、こんな根の荒い場所ではすぐに根に張り付かれてしまいます。」と、根をかわすちょっとしたコツも教えてくれた。
なお、サラシ攻略の際はハリスを馴染ませるためにガン玉を段打ちするのが一般的だが、ガン玉は不要。ハリも一刀グレから軽量なファイングレに変更し、タナはウキ下半ヒロで、30cmほどが遊動とのこと。
ほどなくまきエサがなくなり、納竿。
最終釣果
最終的にキープしたのは27~32㎝の口太グレ4匹、尾長グレ1匹。
ほかの磯もあまりぱっとしなかったようだが、梅雨グレ本番はこれから。永田渡船の船長も、「今年は1カ月ほどすべてが遅れているので、これからよくなってくると思う」とコメントしてくれた。
30cm級のグレが数釣れ、本命以外のゲスも多数ヒットするので退屈しないのも梅雨時期の魅力。入門にも最高の時期なので、ぜひ未体験の方も梅雨の磯へ出かけてみてほしい!
<中西/TSURINEWS・関西編集部>