梅雨といえばすっきりしないジメジメした日が続くが、そんな季節を吹き飛ばすのが梅雨グレだ。梅雨グレは、寒グレシーズンに続いて大型グレが狙える時期だ。大型の口太はもちろん、尾長も狙える。しかし!それはその時の潮の状況、仕掛け、ポイントなどをうまく見極めた者が釣ることのできる梅雨グレならではの釣りになる。ジメジメとした季節を吹き飛ばすような梅雨グレの魅力と攻略法を解説したい
梅雨グレの釣り方
この時期は、磯際でも沖でも良型が狙える時期である。
まず磯際から狙い始めて状況を確認する。朝一番などのマヅメ時はまだエサ取りの活性も低かったりするため、エサ取りがいなければ磯際をしっかり狙ってみよう。
磯際には思わぬ大物が潜んでいることがある。もし磯際で大物を掛けたならば、イトは出さずにサオで限界までこらえよう。磯際でのやり取りは一瞬の判断が明暗を分ける。
私も磯際でなすすべもなく、一瞬で切られた経験を何度もしたことがある。磯際では、しっかりとした太仕掛けで強気のやり取りができる状態で挑みたい。
潮の変化がある沖ポイント
磯際でエサ取りが多いようなら沖へとポイントをシフトしよう。この際はただ漠然と沖を狙うのではなく、潮の流れの変化を狙い、沖の潮筋やヨレを狙っていこう。
寒の時期に比べて、グレが食うタナも上がってきてはいるが、昼間に尾長グレを狙う場合は沖の深いタナでヒットする場合がある。
5~8ヒロほどのタナを狙っていくと、ウキがいきなり消し込んだり、ラインがバチバチ走るといったことが起き、興奮のやり取りを味わうことができるだろう。
そして、夕マヅメはまた磯際を狙いたい。浅いタナで本命の良型のグレが食ってくる。尾長グレも磯際まで来てサシエと食うことがあるので、最後の最後まで気を抜かずに攻めていこう。
大型グレを狙おう
冒頭でも書いたが梅雨グレの魅力は、尾長グレ、口太グレともに40cmを超えるサイズが狙えるシーズンということにある。
40cmを超えるグレとのスリリングなやり取りや、その獲物を手にしたときの興奮や感動は何ものにも代えがたく、それこそ梅雨のジメジメとした気分を吹き飛ばしてくれるだろう。
大型のグレを狙うならば、チャンスを確実にモノにしよう。
チャンスをモノにするということは、掛けた大型グレをバラさないことにある。
そのためには、太いハリスで挑むことが必要となる。
太いハリスだと、細いハリスに比べて食いが悪いイメージがあるが、グレは時合いに入ればさほど関係ないと私は思う。細いハリスで大型を取り込む技術も、太いハリスで大型を食わせる技術もどちらも大切だが、後者の方が大型グレを釣り上げるチャンスは高いと思う。
最後に
梅雨グレシーズンは、その名の通り梅雨の季節の釣りである。
晴れの日と雨の日では気温も大きく変化し、日中は真夏日のような暑さになるときもあれば、湿気が多いジメジメとした不快な釣りになることもある。暑さへの対応はもちろん、雨への対応も心がけて磯釣りを楽しんでほしい。
磯釣りは、たくさんの魅力があふれる釣りだと私は思う。
ただひたすらに大物を狙う人、トーナメントに出て腕を磨く人、最近では若い磯釣り師や女性も多くなってきた。
先日、若い磯釣り師からどうやってグレを釣るのですかと質問を受けた。その際に事細かい技術指導よりも磯釣りを心から楽しみ、グレの気持ちを考え愛することが大型グレを釣り上げる一番の近道だとお答えした。
みんなも、これから始める人もマナーを守り、磯釣りを楽しんでもらいたい。
<週刊つりニュース中部版 黒瀬義人/TSURINEWS編>