例年、梅雨を迎えるころから盛んになるテナガエビ釣り。今年は釣れ出しからまずまずの釣況とのことで、日中でも楽しめる大阪・淀川の姫島地区へ出かけてみた。
濁り強いが即反応アリ!
さて、入り組んだテトラに隙間ができている水深10cmほどの場所を見つけた。テトラ際にそっと仕掛けを投入する。風があって仕掛けも安定せず、そのお陰で砂が舞い上がって濁りも強く「こんなのでテナガエビが小さな赤虫を見つけられるのか…」と心配になったが、その答えはすぐに出た。
ウキがピョコンと一瞬、動いた後、ススッと横へ移動した。テナガエビがエサを見つけて捕まえ、持っていっているのだ。そっと上げるとクンクンとエビが跳ねる感触はあったもののスッと抜けてしまった。
テナガエビ釣りではよくあることで、しっかりとエサを口元まで運んだタイミングで上げると口元に掛かるが、ハサミ状のツメ先でつまんでいるだけのときはすっぽ抜ける。
バラしたら同じ場所へ投入
が、心配はご無用!
テナガエビはバラしてもその場に居れば、すぐにまたエサをつかみにくる。いわば、最初のバラシは「テナガエビがここに居るよ~」と知らしてくれるようなもの。
そこで同じ場所へ仕掛けを入れると、案の定、すぐにウキに変化が出た。今度はもう少し送り込んでからサオを立てる。
口に掛かりやすい赤虫
ピンピンピンと跳ねながら、水面を割ったのは胴長で10cmほどの良型テナガエビだ。すぐにピンセットでハリを抜くと、口の中から赤虫がスルスルと出てきた。
ほほう、赤虫は小さく細いので、すぐに口の中に入るのだ。イシゴカイなどはテナガエビにすると太いので口の中には入りきらず、むしゃむしゃとかじるイメージだ。ということは赤虫の方が掛かりやすいということか…。
1匹釣れればとりあえず粘ってみる。やはり居る場所には溜まっていて、連発でヒットする。が、かなり小さな若エビも多い。
水面をよく見ると、体長2、3cmのスジエビ(シラサエビ)のような小型エビがよく泳いでいて、時々、水面からピンッと跳ね飛ぶシーンも見られる。
今年はテナガエビのアタリ年!?
テナガエビは卵から孵化し、プランクトンの状態で海へ流れ出る。海で着底してから、エサを捕食し春になると河川へと遡上する。小型も大型も入れ混じって河口域にたくさん居ると言うことは「今年は当たり年」であるらしい。
その証拠に、少しでも水のあるテトラ陰にはかなりたくさんのテナガエビがいるようで、場所さえ見つければ確実に入れ掛かりする。もちろん、小型も多くてハリ掛かりしないことも多いが、反応はかなり濃い。
前情報では、大阪近辺で淀川と並ぶ、テナガエビ釣りの人気フィールドである武庫川でも、かなり数が多く、早くから釣れているとのこと。元々、テナガエビが隠れる場所が少ない武庫川では、夜釣りがメインと言われていたが、今年は日中でもよく釣れるほど、数が多いと…。
もしかすると、大阪湾全体で今年はテナガエビの当たり年なのかもしれない。夜の釣りはちょっと危険で不安…という人も、今年は日中にも十分釣れるので、本格的な梅雨の大雨で連日の増水になる前に出かけてみてはいかがだろう!