【和歌山県・江川港】初夏のちょい投げシロギス釣り解説 尺超えは夜?

【和歌山県・江川港】初夏のちょい投げシロギス釣り解説 尺超えは夜?

初夏になり、シロギスの産卵シーズンがやってきた。シロギスは産卵に向けて浅場に入り、砂浜や堤防からチョイ投げで狙えるようになる。今回は、産卵期を迎えたシロギスをチョイ投げで狙いに、和歌山県田辺市の江川港に釣行してきた。

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海釣り 堤防釣り

江川港の概要

和歌山県南紀田辺市、ナショナルトラスト運動で有名な天神崎の東隣、江川港は車を横付けできるファミリーフィッシングにはうってつけのポイントだ。

【和歌山県・江川港】初夏のちょい投げシロギス釣り解説 尺超えは夜?江川港周辺風景

釣行の日には、まだシロギスシーズンの初期とあって、釣り人の姿は私たち以外には見かけなかった。本格的に狙えるようになると、ちらほらとファミリーフィッシングを楽しむ家族の姿が見られるようになる。

また、サビキ釣りで小アジやイワシを狙えるとあって、シーズンには釣り人が並ぶことが少なくない。

シロギスのチョイ投げ釣りには、底が砂地か砂泥の場所が釣りやすい。江川港は全体的に砂地で、所々にシモリがある釣り場だ。シモリと言ってもゴツゴツとした粗いシモリではなく、天神崎にみられるような平たいシモリなので、それほど釣りにくさは感じない。

【和歌山県・江川港】初夏のちょい投げシロギス釣り解説 尺超えは夜?タックル

もちろん、海水浴場のように砂浜が広がる海岸でもチョイ投げ釣りはできるが、数メートルから十数メートル先のポイントを狙うチョイ投げの場合、砂浜から狙うよりも、足元からそれなりに水深のある堤防の方が狙いやすくなる。また、堤防には捨石(堤防の基礎)が入っているところが多く、捨石と砂地との際を狙うと、シロギスとの出会いが多くなる場合もある。

シロギス乗っ込み時期

シロギスは、砂地に潜むゴカイやエビなどの小動物を捕食している魚で、一体に砂地が広がる場所が基本的なシロギスのポイントとなる。

また、産卵期の魚は『乗っ込み』と言われるように盛んにエサを捕食するので釣りの好ターゲットとなる。シロギスの場合、水温が22度を超えるくらいになった頃、浅場で産卵をする。

南紀では5月中旬から6月上旬にかけて水温が22度を超えるようになってくるので、その頃がシロギスのチョイ投げシーズン入りとなる。各地域によって水温の違いがあるので、海水温22度以上を目安に釣行するのが良いだろう。

江川港のちょい投げポイント

【和歌山県・江川港】初夏のちょい投げシロギス釣り解説 尺超えは夜?江川港のポイント

釣りのポイントは、海底が砂地の場所ならどこでもシロギス狙いは可能だ。ただし、シロギスのエサとなるゴカイやエビなどの小動物がいる場所が条件となる。また、シロギスは海水がきれいでないと少ないと言われており、都市部の港湾などより、すこし郊外の、きれいな海の方が良いだろう。

海底が砂地の釣り場は概ね、海底の凹凸がそれほどなく、沖に向かって徐々に深くなっていくところや、遠浅の海のように数百mほど水深が変わらない場所も多い。そういった場所では、釣りのポイントは絞りにくいが、捨石と砂地の少し沖側を狙うか、底に少し変化のある場所を狙う。

どのような釣り方でそういったポイントを探るかは、釣り方のコツの欄を読んでほしい。

タックル概要

【和歌山県・江川港】初夏のちょい投げシロギス釣り解説 尺超えは夜?当日のタックル

チョイ投げ釣りの場合、投げ釣り専用のロッドやリールなどをそろえなくても、安価なロッドやリールで代用できる。

リールは、使わなくなった磯釣り用のリールに、3号の道糸を巻いたものを使った。10号程度の天秤型オモリを投げられる性能のあるリールなら、どんなものでも構わない。

この仕掛けの場合、天秤型オモリに道糸を通し、市販の仕掛けを道糸と直接つなぐ遊動仕掛けとしたが、天秤型オモリの天秤部に市販の仕掛けを直でつなぐ仕掛けでも構わない。魚のあたりや引きをより楽しみたいなら、図の遊動仕掛けをお勧めする。

~7号程度が使いやすい。また、エサのゴカイをずれにくくするためのケンが付いているタイプ(ケン付きハリ)のものが使いやすい。

使用するエサ

エサは石ゴカイか青イソメを使用する。どちらも似ているが、シロギス狙いには石ゴカイの方が適している。

釣りエサ屋で「石ゴカイ300円分」「500円分」などと値段を言ってからパックに詰めてくれる場合もあれば、最初から値段に応じてパックに入れたものを売っている店もある。半日程度の釣りなら500円分もあれば十分だろう。

【和歌山県・江川港】初夏のちょい投げシロギス釣り解説 尺超えは夜?石ゴカイ

石ゴカイは通常、5~8cm程度のものがほとんどだが、シロギス釣りの場合、1ハリに1匹全部を付けない。ハリから1cm程度余るくらいに石ゴカイを切り分けて付けるのが一般的だ。

というのも、余りを長くとりすぎると、エサをかじられてばかりでハリ掛かりしないことが多いからだ。大物を釣りたいからと言って、大きなエサを付けても効果は薄い。

石ゴカイをハリに付ける際に、ヌルヌルとして付けにくい場合は、エサ屋で売っている『ゴカイ粉』を一緒に購入するとよいだろう。ゴカイ粉とは石粉のことで、ぬめりを抑えてくれる効果がある。

もし、石ゴカイが触れない場合は、パワーイソメなどの人口エサを使っても良いだろう。とは言え、やはり釣果には差が出る。

釣れる時間帯

一般的に、朝と夕方が釣れる時間帯と言われている。

しかし、私たちが釣行したのは14時頃だったので、朝夕ではないが、それでもぽつりぽつりと釣れることから、それほど時間帯にシビアな魚ではないかもしれない。

【和歌山県・江川港】初夏のちょい投げシロギス釣り解説 尺超えは夜?誘い方

夜はというと、釣れないこともないが、わざわざ仕掛けを結びにくい夜に釣行するよりも、明るいうちに釣行した方が釣りやすい。とは言え、『夜釣りで尺超え(30cmオーバー)のシロギスが出た』という話もちらほらと聞くので、一発大物を狙うには夜釣りも良いかもしれない。

なお、夜釣りの場合、石ゴカイよりも青イソメの方が釣果が良いという話もある。私は確認したことはないが、青イソメは暗いところうっすらと光るそうで、魚をおびき寄せやすいという。

キスの誘い方

シロギスの釣り方のコツは、『仕掛けを動かして誘うこと』である。仕掛けを投げ込んでじっとアタリを待っていてはダメだ。仕掛けを投げ込んでから、オモリのテンションを感じながら、ゆっくりと引いてくる。リールをゆっくりと巻いて引いてくるのも良し、ロッドを後ろに動かして引いてくるのも良し、自分のスタイルで構わないが、とにかくゆっくりと仕掛けを動かすことである。

シロギスのアタリは爽快だ。ダイレクトにコツコツとしたアタリが伝わってくる。アタリがあってもすぐに早巻きせずに、テンションを保ちながらゆっくり引いてくると、2匹、3匹とハリ掛かりすることがある。

また、ゆっくりと引いてくることで、海底の凹凸や捨石の場所なども感じることができる。そういった障害物まわりは重点的に探りたい。

もうひとつの釣り方のコツは、釣り座から同じ方向ばかりに投げずに、放射線状に探ることである。ランガンも有効だ。コマセ釣りのように、魚を寄せて釣る釣りではないので、魚の居場所を探りながら釣るのが、好釣果への道だ。

釣果は?

さて、当日の釣果は、1時間ほどで27cm筆頭に7尾だった。まだ本格的なシーズンではないが、梅雨頃になるともっと釣れるようになるだろう。

ほんの十数m先のポイントで数釣りが楽しめるチョイ投げ釣り。ぜひ挑戦してみてほしい。

<西原和哉/TSURINEWS・WEBライター>

▼この釣り場について
江戸川港
和歌山県田辺市