テーマは「バランスの底釣り・基礎編」。今回は、ナジミ幅と戻りの基礎原理、そしてそれらを出すことの重要性について考えてみる。いずれもアタリに導くための不可欠要素なのでしっかり覚えておこう。
打ち始めにすべき確認作業とは
自分なりに納得できる底ダテができたら、いよいよエサ打ち開始だ。当然だが、まずは底ダテした位置にエサを落とし込む。ウキの位置がチョウチンであれば、落とし込みは容易なはずだ。では、打ち始めにすべき確認作業を考えてみよう。
「まずはエサが持っているかだよね。魚が寄っていないにも関わらず、ナジんだトップがすぐに戻ってきてしまうようでは、最初から釣りになっていないよね。またエサが持っているのにナジミ幅が出ないなら、タナがベタ過ぎている可能性もあるから、ウキ下を若干浅くする必要があるね。」
なぜ底ダテしたにも関わらずナジミ幅が出ないのでしょうか?
「タナ取りゴムとエサの比重との違いだね。底ダテした水深が、実水深よりも浅ければナジミ幅が出にくくなるし、深ければナジみ過ぎてしまう。さらに流れでラインが湾曲すれば、イメージしたナジミ幅が出にくいこともある。だから最終的にはエサを付けてナジミ幅を確認することが重要なんだよ。」
でも不思議ですよね。上下のハリ(エサ)が地底に着いているのであれば、理論上はナジミ幅が出ないはずなのに、実際は何節かトップが沈みますよね。宙釣りなら理解できますが、なぜ底釣りでもナジミ幅が出るのでしょうか?
なぜナジミ幅が出るのか?
「ホントだね。でもナジミ幅が出る。これはつまりハリス(わずかだが道糸も含む)の傾斜によるものなんだよね。」
いわゆる傾斜ナジミってことですね?
「そう。エサの重さによって仕掛けが沖に引っ張られるから、エサの着底位置がオモリの真下にならない。だからエサが重ければ重いほど、ハリス段差が広いほど傾斜角が広がり、それに応じてナジミ幅も増えるってことになる。」
だとするならウキの浮力(オモリ負荷)が軽いほど、傾斜角が広がりますよね?
「そういうことにもなるよね。さらにトップの浮力でも同じことが言える。細いムクと太いパイプトップでは、エサ比重と振り込み方法が同一だと仮定するなら、前者のほうがナジミ幅が増えて当然だよね。」
復元力の話ですね?
「そう。振り込むと、まずオモリに引っ張られて仕掛けが沈んでいき、ウキの浮力によってオモリがウキの真下に入り込もうとする。その次にエサが落下を始めるよね。この時にエサの重さによって、多少でもオモリの真下より外側に引っ張れながら沈下して、やがて着底する。この時の傾斜角がイコールトップのナジミ幅となるわけだよね。」
何だか数学のようで難しいですね?