タックルとカットウ仕掛け
受け付けを済ませたあと、身支度を整えて船に乗り込む。
最初の釣り場は、鹿島港を5時に出船して、30分ほど走った水深24m。
タックルは、先調子で胴に張りがある30号1.8mの竿に、自作した30号ナツメオモリのカットウ仕掛けをセット。
さしエサは船で配られるアオヤギのほか、アルゼンチン赤エビと青イソメを持参した。
サバの猛攻
ここのポイントは砂泥底で根掛かりはまずないとのことで、広範囲を探るため、仕掛けをキャスト。
すると、フォール中、竿先にガツガツっとした、妙な手応えが伝わってきた。このところサバが非常に多いといい、仕掛けが沈下していくときアタックしてきたものと思われる。
実際、同船者の何人かはサバが掛かってしまったが、幸いにもハリ掛かりせずに仕掛けを着底させることができた。
タイム釣り
ショウサイフグの釣り方は、ゆっくり誘いをかけたあと3秒ほど待って、アタリがなくても空アワセをいれる。
知っている人は多いと思うが、鹿島沖ではこういったいわゆる「タイム釣り」と呼ばれる、アタリがあってもなくても、食わせの間を与えたあと空アワセをいれる釣り方が一般的。
これはエサに興味を示しているものの、アタックまではしてこないようなフグまでも積極的に掛けにいく釣り方だ。
鋭い誘いで連発
開始してすぐ、何人かの竿が曲がり、さっそく本命が取り込まれ、流し直すたびに釣れていく。
なかには連発する人もいたが、どういうわけか、こちらは仕掛けを回収したときサバが掛かってくるくらいで、フグの顔を見ることができない。
好調に掛けている人の誘いをみると、きびきびとした感じで誘い上げたり、下げたりしているようだ。そこで、誘い方を変えてみる。
仕掛けが着底したら、小刻みで鋭い誘いをいれ、少し間をおいてから空アワセ。この動作を数回繰り返すと、竿にドスンとした重量感が伝わってきた。タイム釣りならではの唐突なヒットに、フグ釣りの〝趣〟がある。
このあと、キャストして同様の誘いを繰り返し、仕掛けが船下まできたら誘い下げ。すると、竿先にコンっと、小さなアタリが出たので即アワセを入れる。ずっしりとした手応えと同時に、叩くような引きが手元に伝わってくる。口元にハリが掛かると、このような引きをみせる。タイミングが合った瞬間だ。
ポイント移動するも苦戦
釣り開始から2時間半。陸側の砂底のポイントから、少し沖側の水深29mの砂利場へとポイント移動。
船長のこの判断が見事に奏功。次から次へと同船者の竿が曲がり、少し出遅れたものの、本命が掛かっていく。
ここから、同じような海底形状のポイントをメインに回り、船内では誰かの竿が曲がっている状態が続く。
ポツリポツリと釣れるので、「この調子ならツ抜けして20尾くらいまで数を伸ばせるのではないか!?」と、思っていたが、9尾目をバラしてしまってから、ガラガラと音を立てるように調子が崩れ始めた。それまで好調に掛かっていた仕掛けを根掛かりでロスト。失速にさらなる拍車をかける。
私が、苦戦している間も同船者は順調に数を伸ばしていった。