Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック【日帰り大物釣りのススメ・銭洲編】

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南方海域に出かけ、活きた餌を泳がせカンパチやヒラマサを狙ういわゆる「大物釣り」にトライしたいのですが、宿泊費、交通費など時間もお金もかかり、なかなか実現出来ません。ドクター何か良いアドバイス戴けませんか?

近藤 惣一郎
近藤 惣一郎

医学博士・京大卒。SOグレイスクリニック院長。脳外科・美容外科専門医。DAIWA沖釣りフィールドスタッフ。ロンリー侍ドクターとして各種メディアで活躍中。

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船釣り エサ釣り

診断表

【大物釣り憧れるで症】

そうですね。泳がせで狙う大物釣りは釣り人の憧れです。しかし、南方の秘境に出かけ釣り船をチャーターして泊まりがかりとなると、なかなか実現出来ないと思います。私自身も医業の傍ら釣りを楽しんでいるので同じです。しかし、日帰りで本格的な大物釣りを楽しむ方法もあります。銭洲海域の釣りです。伊豆半島先端の石廊崎から南へ約80km、銭洲は新島、式根島、神津島から南西方向へ連なる海嶺の一部が海面に突き出した岩礁地帯で、急激に立ちあがる海底形状が天然漁礁となっていて、ネープルスとも呼ばれる大根周辺はカンパチやヒラマサ、モロコなど釣り人憧れの大物は勿論、シマアジやウメイロ、イサキなど様々な魚がいます。

処方箋

伊豆や沼津など静岡には、4月1日の解禁日から12月末まで、当日の未明出港し午前7時から午後1時まで銭洲で釣りをして夕方帰港するという形で大物釣りを楽しませてくれる船宿が幾つかあります。仕立ても勿論出来ますが、一人でも3万程度の乗り合い料金で釣行できるのが魅力です。貸し道具(有料)も完備してあるところも多いです。西伊豆土肥港、とびしま丸は初心者でも安心して銭洲釣行にチャレンジできます。私自身も今回銭洲が初挑戦となる3名の方と一緒に4月23日釣行してきました。今回はその模様を交え銭洲釣りの概略をお伝えしましょう。

それでは日帰り大物釣りについて説明していきましょう。

日帰り大物釣り

港集合は深夜の午前1時。前日普通に仕事をして夕食を済ませ午後10時に都心から西伊豆に車で向かいます。伊豆縦貫道から有料道への連絡で交通の便が良くなり2時間半ほどで到着です。

19tの大型船は人数分の個室ベッドがあって大変清潔で、エアコンも効いて快適。午前6時まではベットでぐっすり眠れます。

帰りも同様に午後1時納竿後はシャワーを浴び帰港の午後5時頃までベットで休めます。スケジュール的にもまた環境的にも、遠征とはいっても日帰りで、むしろ通常の釣りに比べ、翌日に疲れを残さず仕事や日常生活に戻ることができます。

シマアジ五目&カンパチ狙い

例年開幕当初はネープルス周辺でのシマアジメインの五目釣りと、産卵のために銭洲周辺に集結する赤いイカを捕食しに回遊するカンパチがターゲットになり、今回の釣行もそれを踏まえた釣行になりました。

イカエサの場合、カンパチの大好物のためヒット率は高いのですが、エサの入手は、神津島の漁師からの購入がすべてとなります。前日のイカの釣れ具合にもより餌の確保は確実とは言えません。

イカ餌が無い場合は、冷凍スルメを持参したり、初夏以降のように現地でムロアジをサビキで自ら釣り上げて活き餌を確保することになります。

まずはシマアジ五目から

当日は、銭洲初釣行の方3人を含め5人での釣行。運良くアカイカを一人10匹程度確保。私の釣り座は左舷ミヨシ。北東の風が強くタフコンデションながら定刻午前7時に釣り開始。

まずはネープルス付近でシマアジメインの五目釣り。100号ビシ・50㎝天秤にクッションゴム2ミリ径50㎝を介し4.5m5本ウイリー針仕掛け。シマアジを狙うなら底3m付近でコマセを撒きすぎないよう静かに誘います。

ウメイロの場合はイカタンを付け餌にします。前週では釣友の石塚さんが3kg級の良型もゲットしています。当日は小型主体に型をみて30分程度で切り上げ、本命の泳がせ釣りへ。

銭洲タックルについて

銭洲では船長が長年の経験をもとに、その時、その時、臨機応変に五目釣りと大物泳がせ釣り、どちらを行うか指示が出ますから、手際の良くタックルや仕掛けの交換が落ちついて行えることが釣果に結び付きます。

当日のタックル

なお泳がせタックルのリールは今までは軽さとスプールフリーでの回転性能、ドラグの良さを考え手巻き両軸リールを使用する釣り人が多かったのですが、最近の大物電動リールの進化は目覚ましく、パワー・スプールフリーの回転性能・ドラグ性能が向上しています。

私は相模湾のキハダマグロでも愛用しているシーボーグ800MJを使用しています。これなら初心者や女性、腕力に自信の無い方でもヒットした大物をかなりの確率で仕留められます。

活イカエサの付け方

見事なアカイカ

用意された活きアカイカはすべて胴長30cm級の見事なもの。こんなに大きくても大丈夫?と思うほどですが、マッチ・ザ・ベイト、産卵で集まってくるこの大きなアカイカがカンパチの好物ですからヒットして来ます。

イカのサイズによって親孫針間の長さが調整出来る移動式もしくは十分な長さをとった固定式の親孫針仕掛けを使い、親針はエンペラ先端付近、孫針は水管に掛けます。

アカイカ餌ではハリスの太さは食いにほとんど関係ありません。大物が掛かってのハリス切れが一番悔やまれるのでハリスは太めの40〜60号、モロコ狙いなら80号。

針もムロアジ餌より大きめでないとすっぽ抜けやすくなります。水管に掛ける孫針は泳がせ針25〜28号です。固定の意味のエンペラ先端の親針は管付ヒラマサ針18号程度とサイズを落としても良いですが、孫針と同じサイズのものを選んでも大丈夫です。

誤った針掛けはイカを弱らせると共に、ハリス絡みの原因にもなります。一度はしっかりベテランや船長、中乗りさんに指導を受けましょう。

活き餌を使用する全ての泳がせ釣りの基本通り、針を掛け、投入する時には、イカに触れる時間を短く、極力イカを弱らせず、船長の合図に遅れること無く、投入することが釣果への必要条件です。サオ受けや生け簀の置き場など、釣り座周りの機能的な整理整頓は大切です。

活イカ泳がせの釣り方

指示タナはその都度船長からアナウンスされます。海面からの指示、つまり上からの指示と底から、つまり下からの指示の場合がありますが、電動リールを使っていても必ず道糸マーカーで確認しましょう。

活きたアカイカは最高級の餌ですから食い気のある魚が餌を見つければ、必ずといって良いほどヒットして来ます。ヒットしないときは誘いで不自然なアクションを付けるのでは無く、巻き上げや落とし込みでタナを広く探ることが重要です。

ただし、不用意にイカを動かしすぎるとすぐに弱ったり、ハリス絡みをもたらします。このあたりの加減が難しいところです。空振りで餌回収時も同様で、ゆっくり回収しましょう。

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