伊藤さとしのプライムフィッシング。その日その釣り場で最良の釣りを目指す。 今月のテーマは「グルテンを使ってみよう。」昨今は両ダンゴからいきなりウドンセットに切り替えてしまいグルテンを触ったことがないなんて人もいるとかいないとか。そこでグルテンの基本をもう一度ここでおさらいしてみよう。今回はグルテン四季について。
グルテンのスタンダード?
「ところでグルテンのスタンダードってあると思う?」
〝夏冬マッハ〟のようなことですか?それはやはり新べらグルテン(底)+いもグルテン+アルファ21でしょう。まさに定番!
「確かにそれもあるけど、それは底釣りにいいブレンドだよね。宙底の隔たりなく定番と言ったら何か浮かばない?」
宙も底もですか?新べらグルテン+アルファ21とか同ブレンドでアルファ21をわたグルに替えるとかですか?
「どうやら思い浮かばないみたいだね。グルテン四季があるのを忘れてないかな。」
おーなるほど。グルテン四季ですか。あれは確かに万能選手ですね。私の釣友にもいますよ。宙だろうが底だろうが、とにかくスタートはグルテン四季単品。なぜって聞いたら使いやすいからって。それに意外と釣るんですよ。
「誰とは聞かないけど私も知っている人のことだね。あの人はどこに行っても”四季単”。それで過不足なく釣れる自信があるから使い続けていられるんだろうね。一つの銘柄を使い続ければ、それだけ使いこなしもうまくなるだろうしね。」
では改めて聞きたいのですが、グルテン四季ってどんなエサですか?
グルテン四季とは
「バラケ性、比重ともにグルテン銘柄の中では中間的な存在だよね。しかも粉1に対して水も1だから、常に同じタッチを正確に作れる。つまり再現性がある。グルテンの場合、ちょっとした分量の差でイメージと違うタッチになってしまうことがあるじゃない。だから1対1で作れる銘柄って、かなり重宝されるんだよね。」
比率が単純ならブレンドもしやすいと思うのですが。
「いいところを突いてきたじゃない。実のところグルテン四季の長所はその点もあるんだよね。何も単品使いだけが能じゃない。」
たとえばどんなケースで何をブレンドするのでしょうか?
「そうだね、秋の新ベラ釣りをイメージしてみようか。まずは”四季単”で始めて、カラツンが増えたとしよう。食いがいい魚を相手にしているのに空振りするってことは、大方エサが持ってないわけだから持つようにしなくちゃならない。
そこでおすすめなのがわたグルとのブレンドだね。
グルテン四季のボソッとした感じを殺さずに膨らみを持たせて持つようにできる。単に相性だけを言うならわたグルは最高のパートナーだろうね。」
それはタナが極端に深い時でもですか?
グルテンのブレンド
「21尺竿いっぱいくらいまでならこのブレンドでいけるよね。もしそれ以上深いならアルファ21とのブレンドのほうが安心かな。」
アルファ21は繊維がしっかりしてますからね。
「そうだね。あとアルファ21がブレンドされると軟らかくもできる。硬ボソタッチではカラツンだらけの時に軟タッチが効くことがあるから試してみるといいよね。」
ブレンド例
底釣りの場合は?
「集魚性が必要ないなら単品でいけると思うけど、タナが深い時はいもグルテンをブレンドするといいね。比重アップになるしエサ持ちもよくなるからね。」
流れ川などはいかがですか?
「激流ならアルファ21とのブレンドがベストだろうけど、さほどでもないなら単品でも十分通用するよね。バランスの底だと流されるからエサをより持たせないとダメだけど、ドボンなら仕掛けが止まるからエサ持ちにそれほど注意を払わなくとも持たせられるしね。」
いずれにしてもグルテン四季ベースなら、まずは単品でやってみて、そこからハリに残ってくるグルテンカスの量などを見ながらブレンドするかどうかを考えても遅くはなさそうですね。
「そうだね。グルテン四季のエサ持ちって想像以上にいいから、最初は粉1水1で作ってタッチをボソッとさせて使うのがいいだろうね。それにそういう使い方のほうがこのエサの特徴をよく引き出せると思うから。」
次回も「グルテンを使ってみよう」です。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>
加須吉沼