渓流エサ釣りステップアップ解説 渓流魚の強い警戒心への対処法

渓流エサ釣りステップアップ解説 渓流魚の強い警戒心への対処法

ヤマメとアマゴの渓流魚は、とにかく警戒心が強い。岩影から一日出てこないこともしばしばある。竿の持ち方から仕掛けの流し方まで、渓流エサ釣りのステップアップ法を紹介します。

アバター画像 TSURINEWS編集部

淡水の釣り 渓流釣り

渓流魚は警戒心強し

渓流釣りの基本は、手前の流れの筋ひとつひとつ丁寧に対岸側へと仕掛けを流す。2~3回アタリがなければ下流から上流へと釣り上がり、川を渡り(渡渉)、滝を登り、高巻き、淵をへつる(迂回できない場所で岸にはりつくようにして移動すること)。これらを遡行と呼ぶ。

ヤマメとアマゴの渓流魚は、とにかく警戒心が強い。最初の段階で渓流魚に気づかれては釣果も得られない。そして、他魚よりも学習能力が際立っている。天然魚ほど、臆病で偽物のエサと見破れば、岩影から一日出てこない。

アプローチ方法

自然相手という基本を押さえておかないと釣りにならない。そのためには、すぐ川の中に入らず、低姿勢で川岸に近づいていくことが必要だ。

釣り師は、忍者の如く”石化け木化け”と言われるほど細心の注意を払ってアプローチしなければならない。

これらに加えて、釣り人が既にポイントに居た場合(先行者)は、一般渓流だと少なくとも上流500m~1kmは間隔を空けて入渓するか、他の河川へ移動することが好ましい。

河川の規模が小さくなるほど、先行者の釣った後は釣果も望めない。私も釣行していた際に、後から来た釣り人が先へ越して釣りをされた経験がある。渓流釣りの常識でありマナーでもあることから、トラブルを避けるためにも注意が必要だ。

サオの持ち方

サオの持ち方は、5m前後の短竿だと、右手持ちでサオ尻を手首付近に固定させる片手持ちが基本。一方、5m後半の長さになると、ブレやすくなるので両手持ちになる。

その持ち方は、片手持ちした上で更に左手を添える。左手は、サオ尻から20~30cm上に軽く添える。なお、片手持ちも両手持ちもガチガチに握らず力を抜いてリラックスして持つことだ。

渓流エサ釣りステップアップ解説 渓流魚の強い警戒心への対処法持ち方

仕掛けの振り込み方

仕掛けの投入は、渓流魚の定位していると思われるポイントの少し上流へ、エサ、オモリの順にソフトに着水させる。エサよりも先にオモリから着水させてしまうとポチャンと着水音が伝わり、魚を警戒させたり、イト絡みの原因にもなる。

ポイントへの振り込みは、左手でハリのちょい上を持ち、サオを対岸やや上流側に向ける。サオと水面を並行にし、仕掛けイトを釣り人側に少し引いて張らせ、サオをしならせる。

狙うポイントに向かって、左手を離す。それと同時にサオを立て気味にすると、サオの弾力やオモリで仕掛けが前方に飛んでいく。これがアンダースローと呼ばれ基本の振り込み方法

ほかに頭上に木々がなければ左側後方に仕掛けを流し、頭上で仕掛けを回してサオのしなりで勢いよく飛ばすオーバースローや、ポイントが木々の下にある場合はアンダースローを横から振り込むサイドスローもマスターできれば幅も広がる。

狙うべきポイント

釣る前に流れを観察してみよう。ヤマメやアマゴは、エサの集まりやすい流れを好む。要は流れと流れが合わさっているところを探す。その付近をよく観察すると、小さな渦巻や水中に潜り込むヨレが確認できるだろう。ここが、本当の投入点であり、軽いオモリでも底波へ吸い込まれていく。

それは、石裏の少し下流付近や流芯脇の反転流付近にみられる。瀬や淵の尻にあたるカケアガリやウケと呼ばれる石前にも水中で流れ同士が合わさっている。

このスポットが、ヤマメやアマゴの好む定位ゾーンであり、底を若干切った下層を好んで遊泳している。また、水温上昇時や、水生昆虫の羽化した成虫が水面で確認できる時は、表層に急浮上して捕食する。

渓流エサ釣りステップアップ解説 渓流魚の強い警戒心への対処法ヤマメ(&アマゴ)の定位

エサ釣りは、主にエサバリを下層の定位ゾーンへしっかりと流すことが重要だ。ただし、水温が上がった初夏の場合、中層を流しやライズの見られる場合は軽いガン玉G4にして表層を釣る場合もある。

目印の位置は、毎回狙う水深によって変動させる。目安として、水深=オモリ~目印の長さとする。そして、一番下の目印を水面近くになるように心掛ける。

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