シーバスは年間を通じて、その時々の状況に応じて様々なエサを捕食します。
春のバチ抜け祭りが一段落して、気温の上昇と共に水温も安定してくると、夏シーズンに向かって様々なベイトフィッシュが接岸するようになってきます。
ベイトの接岸はポイントとタイミングによりますが、1種類ではない場合があります。
こういった状況のシーバスに有効となりうる狙い方をご紹介します。
まずはよく観察してみる
夏に向かって水温が上昇してくると、シーバスの活性も高まります。
海に行ってみるとバシャバシャとライズが見られ、シーバスが小魚を追う様子が確認できることも。
しかしベイトフィッシュが接岸しているなか、ルアーを投げても投げてもなかなかバイトに結びつかないときがあります。
こうなるとなぜ釣れないのかどうしても気になって夜も眠れず悶々としてしまうのですが、魚はいるわけです。
そんなときはまず、現場についたら海をよく観察してみましょう。
シーバスは何を追いかけている?
まず探りたいのはシーバスが何を捕食しようとしているかです。
よく海面を見てみると、ベイトが泳いでいる様子が目視できるかもしれません。
カタクチイワシ、稚アユ、イナなどは表層近くにいることが多いのでわかりやすいです。
しかし派手にボイルする個体もいれば、底の方でキラリと魚体を光らせて反転しながら食う個体もいる。
もしかするとベイトは1種類ではないかもしれません。
ルアーを引いてみると、小魚がスレ掛かりすることがあります。
表層ならカタクチイワシ、底層ならコノシロといった具合に複数いた場合。
捕食対象魚の種類が多い場合、ルアーをベイトに適合させる「マッチザベイト」では状況を絞り込むのが難しいかもしれません。
そんなときは、あえてベイトとは違うエサを演出する「アンチザベイト」を試してみるのも面白いです。
アンチザベイトとは
アンチザベイトとは、わざとベイトとはかなり異なるパターンのルアーを選択し、ターゲットの気をひいていくスタイルです。
まずルアーを目立たせる簡単な方法として、ルアーの泳ぐレンジをベイトの群れの下に設定します。
シンキングタイプのミノーやディープダイバーと呼ばれる、リップが長く角度の鋭いタイプのミノーなどで簡単に対応できます。
その他、ルアーのサイズをあえて大きくして目立たせる方法もあります。
エサとなるベイトの大きさが目視で確認できた場合は、そのベイトより大きなルアーを選択してみましょう。
もうひとつ、ルアーのカラーを派手なカラーにするというのもまた有効です。
ナイトゲームであればパール系やチャート。
デイゲームであればメッキ系のフラッシングの強い乱反射系のカラーなどが有効になります。
波動で気をひく!
カラーやシルエット以外に目立たせる方法もあります。それはルアーの波動です。
シーバスは目視の他にも、側線という体の側面にある器官で水圧や水流の変化、波動を感じることができます。
それを利用し、ベイトより波動の強いルアーでアピールするのです。
強波動のルアーといえば、鉄板タイプのバイブレーション(ルアーのボディが平たくなっているタイプ)や、ウォブリング(激しく左右に振れるルアー)主体でブリブリと泳ぐルアーになります。
ロッドから手元に感じる振動が強いルアーは、水中の波動も強く出ていると思ってください。
コノシロのようなボトム付近にいるベイトも考えると、鉄板バイブでボトム付近を探るのも有効です。
アンチザベイトはこんなときに使える
注意点として覚えておいていただきたいのは、アンチザベイトは常に有効とは限りません。
むやみに食わないからといってルアーを大きくしたり波動を強くすることで、逆に魚にプレッシャーを与えてしまう場合もあります。
大量のベイトで魚の捕食スイッチが入りに入っている場合などには効果を発揮します。
なのでポイントに着いたらまずは、観察です。
エサの種類、サイズ、ボイルの仕方など、糸口は必ずフィールドに転がっています。
この夏に向けて大量ベイトパターンに遭遇した際には、ぜひお試しください!