毎年、桜の咲くころになると活性が上がってくるナマズ。その桜が例年より少し遅れて満開となった4月9日、仲間のマサミチ君からナマズ釣りのお誘いがあった。
向かった先は愛知県西部を流れる日光川水系。前日の雨で水位が増し、支流域への遡上も活発になっていることだろう。
ただ、気になるのは低気圧が抜けたことによる強烈な吹き返しの風。これさえなければ最高のナマズ日和なのだが。
強風の中で釣行開始
現地到着は午後7時ごろ。
やはり風は強烈だが、一段下がった水面は意外にも穏やかだ。
ルアーは定番のジッターバグ。
風に負けないよう5/8ozのものをセットした。
まずは稲沢市周辺の支流域から探っていくと、早々に反応があった。
ほどなく対岸からも水音が聞こえ、マサミチ君がナマズをぶら下げて歩いてきた。
50cm台半ばのレギュラーサイズだが、うれしいシーズン1匹目。
続けて私にも同寸がヒットし、開幕早々からボウズという最悪の事態は回避された。
だが、その後は頻発するバラシに悩まされ、数が伸ばせない。
日光川本流域へ
そこで移動したのは本流域。
ポイントが絞り込みにくい大場所なので、分岐点や水門など、地形や流れに変化のある場所を中心に探っていく。
ところが、予想外に反応がない。
揚げ句風でルアーが失速してバックラッシュ。
その修復を終え、ふと水面を見るとケミホタルの光が上流に向かって流れていくではないか。
一瞬、頭が混乱したが、テンションをかけてスイープフッキング。
何とも釣った感のない1匹だが、無事に抜き上げてキャッチとなった。
だが、その後はバイトすらなく再び支流域に移動。
テクテクと歩きながら小場所を順にたたいていく。
狙いめとなるのは護岸際や杭などの障害物周り。
暗闇のなか、キャスト精度を上げるためにもケミホタルは必需品だ。
やはり前日の雨で多くのナマズが遡上したのか、支流域では飽きない程度に反応があった。
だが、ここでもバラシの嵐。
原因は昨年使ったままのフック、というより「この程度なら」と妥協した私だ。
護岸などとの接触も多い釣りなのでハリ先の摩耗は避けられない。
チェックは入念にしておこう。
釣れたのはまさかの……
その後、さらなる不幸が私を襲う。
対岸スレスレで着水と同時にヒットしたのは、まさかの投棄自転車。
何をしても外れないので回収は後回しだ。
取りあえずラインだけ切っておこう。
だが、ラピノヴァX(RAPALA/RAPINOVA-X MULTI-GAME)の3号は強かった。
無理に引っ張ると、切れる前にリールの方が壊れそうだ。
仕方がないのでいったん車に戻り、長柄の磯ダモを持って対岸まで大移動。
ケミホタルのおかげでルアーの位置はハッキリ分かるので、回収は難なく成功した。
ラインをチェックしてキャストを再開すると、ルアーが小さな流れ込みにさしかかったところで水面が盛り上がった。
直後、バフッという捕食音に心が躍る。
十分重みが乗ったところで慎重にフッキング。
これまた50cm台半ばだが、無事に抜き上げてリミット達成となった。
私は場荒れを防ぐため、キャッチするのは一日3匹までと決めている。
ここからはフックを外し、豪快な捕食音だけを楽しむのだ。
満足の一夜に
結局、この日は午後10時ごろまでキャストを続け、多くのバイトを得ることができた。
マサミチ君も59cmを頭に6匹をキャッチし、開幕早々から大満足だ。
今後は水温の上昇とともにナマズの活性も上がり、楽しい夜遊びシーズンがやってくる。
ただし、ナマズにとっては産卵を控えたデリケートな時期でもある。
末永くナマズ釣りが楽しめるよう、バーブレスフックの使用と丁寧なリリースをお願いしておきたい。
<週刊つりニュース中部版 APC・浅井達志>
東名阪自動車道・弥富IC下車、R155から日光川流域の各ポイントへ。