デジタル化する釣りメディアの今後の【在り方】とは? 紙媒体の独自の進化にも期待

デジタル化する釣りメディアの今後の【在り方】とは? 紙媒体の独自の進化にも期待

釣り業界とは少し離れるが、2025年1月31日発行(2月1日付)をもって「夕刊フジ」が休刊した。駅の売店から「オレンジ色の憎い奴」が消えるのは寂しい限りだ。今回の記事では、未来の「釣りメディア」の在り方について書いてみよう。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)

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宮坂剛志

ボート、ウェーディングなしの100%陸っぱりアングラー!陸っぱりからのシーバスフィッシングの楽しさを追求して行きます!

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なぜ紙からデジタルなのか

今や時代はデジタル化が進み、釣りメディアもそのほとんどが紙媒体ではない。材料(紙)の価格高騰や輸送コストの上昇を考えると仕方ないことかもしれないが、このままデジタル一色で本当に良いのか?

デジタル化する釣りメディアの今後の【在り方】とは? 紙媒体の独自の進化にも期待本でしか読めない記事も(提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)

これには色々な原因があるが、スマホの普及で知りたい情報がすぐに手に入ることが1番大きい。いわばペーパーレス時代の到来だ。釣りの情報も、わざわざ駅やコンビニでお金を払って紙媒体から仕入れるよりもスマホでサクサクっと検索すれば、より多くの情報が無料で手に入る。確かに紙面ならではの情報や記事もあるが、手軽さや利便性には残念ながらかなわない。

デジタル化する釣りメディアの今後の【在り方】とは? 紙媒体の独自の進化にも期待独自のコラムが面白い(提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)

もう1つは、原材料費の高騰だ。紙の価格、インクの価格、さらには輸送費まで上昇していては、どれだけ部数を売り上げても苦しいだろう。こうなると、その全てをクリアするデジタルに移行するのも仕方がない。このように、時代のペーパーレス化と物価高の影響が合わさり、紙からデジタルへとメディアが「進化」したといえる。

デジタル化は見えない

さて、このデジタル記事だが、釣りに限らず全文を読む人はどれだけいるだろうか。例えばTURINEWSの記事などは、全国各地のキャスターが力を込めて取材した記事が多い。だが、どのくらい読まれてお役に立っているのだろうか。新聞や雑誌のように部数がわかるわけでもなく、読者からの声もない。アクセス数という「数字」だけでは、書き手には何一つ見えてこない。

デジタル化する釣りメディアの今後の【在り方】とは? 紙媒体の独自の進化にも期待情報は釣果を左右するが……(提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)

さらに、新聞などは保管して色あせるまで読んでもらえることもあるだろう。しかし、更新頻度の高いデジタル記事は、ある意味読み飛ばされてしまうことも多い。読み手はそこまで意識しないだろうが、記事が読者の頭の中からいつの間にか消えてしまうのもデジタルだ。

紙媒体は生き残れるか

では、紙の媒体は本当に生き残れないのだろうか。残念ながらその確率は高い。やはり時代の流れには逆らえないのが現実だ。しかし、紙には紙の良さがやはりある。新聞や雑誌はデジタルにはない濃厚な記事があって、記者独自のコラムも多い。こういった特別な記事が好きな人にはまだまだ需要があるだろう。

デジタル化する釣りメディアの今後の【在り方】とは? 紙媒体の独自の進化にも期待釣れれば情報は何でもいいのか?(提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)

筆者も釣り新聞や雑誌は好きだ。ここでしか読めないコーナーや記事は、いつになってもわくわく感があるからだ。いつまでも続けていってほしいほのだが、やはり難しいのかもしれない。

デジタル化する釣りメディアの今後の【在り方】とは? 紙媒体の独自の進化にも期待釣りコーナーが懐かしい(提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)

気が付けば駅のキオスクや本屋さえも減り、釣り新聞や雑誌を購入できる場所さえもなくなりつつある。これでスマホから手軽に知りたい情報が手に入るなら、やはりデジタルの勝ちだ。理想を書くなら、これからはデジタルも紙媒体も別々に「進化」していってもらいたいと願ってやまない。

<宮坂剛志/TSURINEWSライター>