テーマは「マゼヒゲをエンジョイ!」。マゼとはズバリ埼玉県本庄市にある間瀬湖のこと。ヒゲははもちろんトロ掛けセット。完全両ダンゴ時合いのなか、むりくりの釣りとなった吉田の運命は?
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
数投で魚がワキワキ
人災もなくおそらくスーパー両ダンゴ時合いのなか、竿10.5尺チョウチントロ掛けセットで打ち始めた吉田。大ウキ&大バリ仕様で、少しでも湧き上がる魚を抑えつける作戦のはずだった。ところが開始早々から……。
「ダメでーす。数投で魚がワキワキになってしまいました」
釣れなくはないがペースにはならず、むしろエサが入るほどにアタリが減る始末。これはどう見ても何かが合ってない。
「だからそもそもが両ダンゴなんですよ。さてどうするか」
とにかくトップがナジまないことには話にならない。いやナジまないとは言わないが、ナジんだとしてもすぐにバラケ崩壊が始まりトップが戻ってしまう。トロ掛けの基本はバラケが付いている時のアタリなのだから、抜けてしまっては十中八九アタリは出ない。
「ハリもウキもさらに大きくしてみます!」
上バリを17号へ
これまで使っていた上バリはサイト15号。両マッシュでも使えるサイズだが、これを17号にチェンジ。
17号とはずいぶんとデカくしたね。
「はい。おそらくトロ掛けで使うのは初めてかもしれません」
って、よく結んであったね?
「先月先々月と房総でマッシュの大型狙いをやらせてもらったので、その時のストックを流用しちゃいました(笑)」
さらに下バリもセッサ9号から10号にして、ウキも番手を一つ上げて様子を見る。
これでどうにか釣りにはなってきたが、まだバラケの持ちが甘い。素人(記者のこと)が隣で見ていてもバラケが甘いなぁと感じているのだから、やってる本人はもっとそれを強く意識しているはずだ。
「やりたくはなかったのですか、いよいよバラケですね。もっとネバリがあるブレンドに替えてみます」
ところが、これはまったくの失策だった。
「ナジむようにはなりましたがアタリそのものが減ってしまいました。これではダメですね」
すぐさま元のブレンド(前回参照)に戻すと魚は湧くがアタリも復活し始めた。
要するに付いてるだけではダメってこと?
「極論はそうなりますね。魚の湧きを抑えたくてネバって重いブレンドに替えましたが、肝心のアタリが出てくれなくては話になりません」
遠回りした?
でも作業的には遠回りだったんじゃない?ハリだウキだを替える前に先にバラケに手を出すべきだったんじゃない?
「それだと迷路にハマる可能性が高く、結局は時間がかかってしまうことがあるんです」
なるほど。セッティング変更だけなら、ダメならすぐに戻せるってことね?
「そうなんです。それにボクのなかではバラケマッハ400㏄+ふぶき300㏄+凄麩200㏄+水250㏄は野釣りのバラケでは絶対的な信頼があったんです。なので逆にバラケはイジらずセッティングでどうにかなればと思ってたんです」
でもついついエサを替えてしまったと。
「はい。でもやって後悔はないですよ。なぜならもはやバラケに迷わずに済むのですから」
日中になって日が高くなると、いくらか魚が落ち着いてきたのだろう。朝よりも釣りやすくなり比例してアタリ数、ヒット率ともによくなってきたようだ。
「よくはなったと言ってもこの程度では、おそらく両ダンゴの半分も釣れてないでしょう。引きが強いので楽しいですけど、もうちょっとどうにかしたいですね」
時間はまだたっぷりある。吉田の迷走はまだまだ続く……。
次回も「マゼヒゲをエンジョイ!」です。
間瀬湖
<週刊へらニュース編集部・関口/TSURINEWS編>