雪がちらつき始め、寒さが厳しくなってきた。今回はシーズン最盛期の磯マル(シーバス)を狙って12月前半、石川県珠洲市狼煙の地磯へ出撃した。真冬の磯ルアーシーバスの始まりだ!
アタリなければすぐ移動
当日は今季一の大寒波に加え、波高が3・5mということで、少し厳しい展開が予想された。
この場合無理に暗いうちからスタートするより、明るくなってからの方が動きやすく状況判断がしやすい。
午前7時すぎ、少しゆっくりめにウエットに着替え、タックルを準備して状況を開始。
まず手にしたルアーは、かっ飛び棒130BRラトルの赤金レインボー。飛距離に優れ着水後の浮上が早いため、比較的シャローでも流すことができる。
まず沖のサラシが絡むポイントを探っていく。しばらくレンジをリーリングスピードとロッドの角度を調節しながら探ったが反応がない。
足元のサラシも気になるが、いい時間帯なのですぐにポイントを後にした。
リアクションバイト狙い
しばらく車を走らせ、次のポイントは珠洲市寺家の地磯。このポイントは能登半島の先端に位置し、岬状の地形と横スリットが絡むシャローエリアだ。
到着早々沖には鳥が飛び交い、先ほどのポイントより生命感がある。
いつもならシンペンでの遠距離戦略かマッチザベイトのミノー戦略だが、今回手にしたのはアピアラムタラジャイアント177。これは17cm台の大型ボディーだが、水面直下を流れに乗せながらドリフトさせられる。
基本的に河川の落ちアユ、コノシロパターンで絶大な威力を発揮するが、荒れた磯でも十分使える。
狙いはマッチザベイトではなく、その大型ボディーを生かしたヴァージンインパクトでのリアクションバイト。出るなら一撃だ。
といってもむやみやたらに投げるのではなく、ポイントをよく観察し波と流れの向きサラシの広がり方がリンクした場所を探す。
磯ファイトは強気に!
少し歩くと左斜めから来る波が岬状に張り出した磯に当たり、右にサラシが広がるポイントを発見。ここだと思い、最適なタイミングを待つ。
そしてサラシが広がったタイミングでサラシの向こう側へキャストし、サラシにナジませるようにドリフトさせる。
ルアーがナジみ、リーリングを止めた瞬間、ドスンと重いバイトが手元に伝わる。即座にアワセを決め、ファイトに入る。
手前15mはスリットと藻場が絡む難関エリア。ポンピングとゴリ巻きで一気に寄せる。
しかしサラシの中の流れに乗ったシーバスの引きは非常に強く、根に突っ込んでしまった。ここはイチかバチかドラグをフルに締め、一気に引きずり出す。
そして藻だるまで上がってきたのは、70cmアップの筋肉質なシーバスだ。70cmと聞けば大したことはないと思うが、激しく荒れたサラシの中、油断すれば藻化けかラインブレイクの恐れがあるドシャローで獲った1匹の価値はとても高い。
今後の展望
その後反応はなく、生命感もなくなったため納竿とした。これから磯マルシーズン本番。奥能登は荒れる日が多くなる。
安全対策と防寒対策を十分にして奥能登磯マルゲームに挑戦してほしい。
<週刊つりニュース中部版 APC・平口史尚/TSURINEWS編>