2級小型船舶免許取得を取得してみた 気になる試験の内容と費用について解説

2級小型船舶免許取得を取得してみた 気になる試験の内容と費用について解説

幼少期から釣りという遊びに親しみ、早いもので40年以上。社会人になってからは、陸っぱりでシーバスやアオリイカを追い求め、30代に入ったころ初めてボートに乗船。熊野沖で格闘したシイラ釣りは良い思い出だ。

そんな私がこのたび、2級小型船舶操縦士免許を取得。遊びの幅が広がるのはもちろんだが、今回は免許取得までの道のりなども交え、新たなオヤジの挑戦とその魅力を紹介しよう。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

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船釣り ボート釣り

学科試験に向けて

学科試験は3項目となり、心得・遵守事項、交通の方法、運航といった船を操船する上での基本的な内容がメインとなり、合格基準は50問中33問正解で、各科目50%以上の正解率が必要だ。

覚えることも多く、学習用のテキスト、問題集はともに130~150ページとボリューム満点。私の場合、試験日の約1カ月前からボチボチと学習を始め、昼休みにテキストを読み夜は30分~1時間程度問題集を行うという形で、全ての問題を解いた。好きなことなので非常に興味深く学習が進み、ある程度知っている部分もあったが、操縦や航路のルール、標識や海図記号の見方など無知な部分も多かった。

ちなみに、スクールに通った人の学科試験合格率は9割程度。決して難易度が高い試験ではないが、受験した印象から言うと適当な勉強で合格できるとは思えず、これから実際にボートを操縦することも考えれば、ひと通りテキストと問題集に目を通しておくことが重要だ。

実技試験に向けて

実技試験は点検やトラブルシューティング、結索などの小型船舶の取り扱い、直進や後進、旋回などを行う基本操縦と人命救助や着岸・離岸などの応用操縦の3科目。300点満点の減点方式で各科目60%、合計70%が合格基準。結構盛りだくさんな内容だが、実際に船に乗れる実技講習は午前9時集合、午後4時半解散の1日のみ。

2級小型船舶免許取得を取得してみた 気になる試験の内容と費用について解説実技の試験会場(提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

最初こそ初めて滑走した際は、「めっちゃ気持ち良いやーん」と余裕だったが、講習が進むにつれ「船ってまっすぐ走るの超ムズイ」「着岸では桟橋にガツンッ」「安全確認マジ忘れる…」と、心配な感じ。とはいえ、指導員の人にしっかりとポイントを教えてもらい、操縦に関してはかなり余裕が持てるようになった。

試験日までの10日間で復習が必要となったのは安全確認や結索、トラブルシューティングなどの部分。結索については暇があればロープを結び、試験前には手が勝手に動くまでになった。

2級小型船舶免許取得を取得してみた 気になる試験の内容と費用について解説いかり結びなどを覚える必要がある(提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

あとはYoutube動画をフル活用。実技試験の動画が多数アップされているので、それを活用して操縦や安全確認などはイメージトレーニングした。実技試験に関しては、こちらもスクールに通った人の合格率は9割程度。指導員の話では、実技講習で習った部分をしっかりと復習しておけば、合格間違いなしとのことだった。

学科・実技試験

試験当日は午前8時45分集合で、まずは学科試験から始まる。ここで絶対忘れてはいけないのが受験票。ちょいちょい忘れる人がいるようだ。

2級小型船舶免許取得を取得してみた 気になる試験の内容と費用について解説受験票は忘れずに持参を(提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

そして試験説明、視力検査と進み、いざ学科試験の開始。試験時間は70分。マークシート形式で時間的には十分余裕があった。ただ注意点としては「適切なもの」「適切でないもの」など、正誤判定が多いので問題を最後までしっかり読んで、最後の見直しもしておくと良さそうだ。あとは試験後、すぐに回答が張り出されるので、解答用紙に答えを書いておくと自己採点が行える。ちなみに私はしっかりと勉強した甲斐もあり、自己採点では49問正解。惜しくもパーフェクトは逃したが、まずはひと安心。

2級小型船舶免許取得を取得してみた 気になる試験の内容と費用について解説学科試験は楽に突破(提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

続いて実技試験会場に向かう。実技試験はその日のうちに行われ、学科試験終了後に自分の試験時間が指示される。私は、午前11時半からスタート。会場はいつもサワラ釣りなどでお世話になっている伊勢市内のマリーナ。普段から見慣れた光景だが、試験ということで普段は気にならないちょっとした微風やさざ波まで、海のコンディションが気になる。

2級小型船舶免許取得を取得してみた 気になる試験の内容と費用について解説実技試験の海上と試験艇(提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

自分の番号が呼ばれ、実技試験スタート。まずは結索の試験から始まり、試験員からの課題は「巻き結び」。「そんなん楽勝やん!」と思ったものの、緊張からか「あれ?あれ?」と焦ってしまい、頭の中は混乱状態。しかし、日々の練習が生きた。勝手に手が動く形で無事に結索完了。

2級小型船舶免許取得を取得してみた 気になる試験の内容と費用について解説ロープワークは練習あるのみ(提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

ここからは実際にボートへ乗船する。ポイントとしては、まずは安全確認を忘れないこと。大きな声で「前方ヨシ、後方ヨシ、右ヨシ、左ヨシ」など、常に周囲の状況を確認する。人命救助も一発でクリアし、ポール間を滑走する蛇行運転も無難に終了。着岸こそ風の影響を受けて、あまり寄せることができなかったが、何とか桟橋にボートを係留し試験終了。あとは結果を待つだけになった。

2級小型船舶免許取得を取得してみた 気になる試験の内容と費用について解説実技試験の模様(提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)

合格発表までの流れ

合格発表の速報は日本海洋レジャー安全振興協会のホームページで、試験日の1週間以内に発表される。ドキドキで結果を確認し無事合格。免許は7月10日に届いたので、試験日から約2週間で新米船長の誕生だ。有効期限は5年。新たな釣りライフの始まりにワクワクが止まらない。

<週刊つりニュース中部版APC・橋本広基/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年8月9日号に掲載された記事を再編集したものになります。