『引っ掛け釣り』という釣りがある。『ギャング釣り』や『サッカケ』とも呼ばれ、魚の魚体に直接針を引っ掛けて釣り上げる釣法である。これは静岡県の海釣りではショア・オフショア問わず禁止されている。
筆者は引っ掛け釣りが禁止なのははマナーの問題と捉えており、規則として禁止されていることを恥ずかしながら最近になって知った。この機会に詳しく調べてみたいと思い、静岡県経済産業部水産・海洋局水産資源課に問い合わせ詳細を教えてもらった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・黒犬ちこり)
フグの『カットウ釣り』は禁止?
カットウ釣りはエサで誘う釣法なので釣りの定義に該当する。よって【から鈎では無いので禁止ではない】となる。
禁止エリアはどこまで?
これが非常に難解である。『陸の県境の延長線で挟まれた静岡県地先海面とその沖合』とのことなので、県境が海の上にもあるイメージでその静岡県内が規制対象となる。ただし、沖合の距離や県と県の境が明確に決まっている訳ではないらしく、そこは常識的な判断が必要になってくる。
陸地側は『内水面との境目』が境界線になる。内水面とは河川や湖沼の事で、その境界線は厳密なルールがあり一つ一つの川に境界線が明示されている。ちなみに内水面は管轄が違う為、例えば禁漁期があるように釣りのルールも異なってくる。よって雑なまとめになってしまうが【県内の海全域が禁止エリア】となる
スレ掛かりも違法?
エサやルアーなどで誘った結果引っ掛かってしまった場合は問題ないとの事。ただし、それらに引っ掛けるための仕掛けを付けて引っ掛ければ違反となる。よって【引っ掛かってしまっても違反ではない】となる。
罰則と、取り締まる組織について教えて欲しい
これは第58条に規定されており『科料(かりょう)』となっている。科料とは『刑法の規定する主刑の一。軽微な犯罪に科する財産刑で、刑の序列としては罰金より軽い。』とあり、刑罰のなかではもっとも軽い刑罰となる。しかし前科となってしまい罰金も収めることになるので注意されたい。
取り締まりは海上保安庁や警察の管轄とのこと。よって【科料となり、海上保安庁や警察が取り締まる】となる。
釣り人に知っておいて欲しいこと
こちらはメールにいただいた文章をそのまま記載したい。
『釣りをする際の注意点としては、堤防や離岸堤、港湾等では、安全上の観点等から施設管理者が立入制限をしている場所が多いので、十分ご注意ください。また、沖でミニボートやシーカヤック等で釣りをされる場合は、漁船等から見えにくいことから、安全のために船の通り道をさけて釣りをしてください。』
まとめ
ちょっとでもわかりやすく伝えたいと思いまとめたがいかがだろうか。色々書いたが、要するに『静岡県の海で引っ掛け釣りはやってはいけない』ということである。色々な考え方や思いもあるとは思うが、禁止事項を破ると結局は釣り人自身の首を絞めて行く事になる。
また、静岡県の海では禁止とされている引っ掛け釣りだが、禁止ではない地域もある。ルールを守って釣りを楽しみたいと思う。
今回の記事執筆に当たって担当者の方にはとても丁寧にご対応いただいた。この場を借りてお礼申し上げます。
参考
(TSURINEWSライター・黒犬ちこり)