3月8日、車で名古屋からなら高速で約50分。電車でも1時間ほどでアクセスできる愛知県・美浜町河和港から出船する光宝丸に乗り込んでトンジギに行ってきた。今シーズン、光宝丸ではトンジギダービーを開催しており、ファースヒット賞と最重量賞が用意され、賞品として釣具商品券が手渡される。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
期待と裏腹に・・
さて当日、午前7時半ごろに志摩沖のポイントに到着。風はそこそこ吹いており、船は適度な速度で流れてくれる。トンジギには最高の条件だといえるだろう。船長の「60~120mの間を探ってください」というアナウンスで、全員が一斉にジグを投下する。
この日は7人の乗合。片舷にずらりと並んでジグを落とすと、いい感じでラインは前方に払い出されていく。7人のうち4人が電動タックルで、船上にモーター音が響き渡る。
伊藤さんももちろん電動タックル。150mまでラインを出し、グリップエンドをギンバルに差し込んで、両手でゆったりとシャクり続ける。
だが期待と裏腹に誰のロッドも曲がらない。そりゃね、元々ギャンブル性の高いトンジギ、そう簡単に釣れてくれるとは思ってませんよ~なんて思っていると、しばらくして船長から移動の合図があった。
移動後に待望のヒット
僚船からの情報で、反応のあったエリアに急行すると、ここではあちこちに遊漁船が見える。期待できそうだ……と思っていると、船長から「60m反応通過中」とアナウンス。電動を最速にしてタナを合わせる伊藤さん。だがロッドが曲がったのは伊藤さんではなく、ミヨシで手巻きで頑張っていた牧野さんだった。
70mのフォールで食ってきたというビンチョウをうまくいなし、距離を詰めていく牧野さん。他の乗船者は皆ジグを回収し、貴重なヒットの行方を見守る。途中トモの方向に走られたが、全員回収しているので問題はなし。トンジギはチームワークがモノをいう場面も多いのだ。
やがて船長のネットに収まったのは、10kg前後のビンチョウ。撮影の後、素早く船長が神経絞めをしてから血抜きをし、氷間に入れてくれた。
大シケのなか粘るが無念の納竿
このヒットで船上のボルテージが一気に上がり、ジグをシャクる手にも力が入る。だが、ここで北寄りの風が一気に強くなってきた。それまで適度な速度で流れていた船だが、ジグを落とした途端にすごいスピードでラインが払い出されてしまう。
ジグを450gに替えるが、あっという間に遠くまで払い出される。海にはそれまでいなかった白うさぎが飛び跳ね、船の揺れもきつくなってきた。だがこの日乗船した光宝丸は大型船ということもあり、かなりの安定感。中型船であれば、撤収も視野に入れなければならないほどの荒れ模様だったが、時間いっぱいまでシャクり続けることができた。
この日、実は気合十分だったであろう伊藤さん、米山さんは残念ながらノーヒットだったものの、この3日後の11日には各船ともかなりの好釣果が上がっており、「タイミングが少し早かったかな~」とのこと。特に11日は全員マルチ安打という船もあったようで、確実に群れは入ってきている。これまで不調続きだった分、高水温の潮が入ってこれから上向いてくることは十分に予想される。
名古屋から1時間弱で楽しめる近海ビッグゲーム、ぜひ皆さんも一度挑戦していただきたい。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>