「カワムツって、うまいの?」。釣り仲間のこの一言で、カワムツを釣って、新鮮なうちにその場で調理して食べてみようと、物好きな釣り人が河原に集まった。釣法はフライフィッシングとテンカラで、併せて釣果対決も決行。淡水小物釣りは面白いぞ!
カラッと天ぷらを揚げてみよう
十分すぎるほどの食材を調達できたので、食べる分だけを残して、他をリリース。
いよいよ本日のテーマである食味吟味のための料理の始まりです。
腹を裂いて内臓を除去し、頭を切り落として、水分をキッチンペーパーで吸い取り、下処理します。処理したカワムツは最大12センチ、最小が5~6センチの計16尾。
夏場のオイカワは、その不味さからネコもまたいで通り過ぎることから「ネコまたぎ」とも呼ばれ、不人気。仲間のカワムツも同様ですが、水温が下降する冬場は臭さも消え、不味くはないはずです。
薪ストーブの上の鍋に小麦粉の衣をつけたカワムツを、横田さんが順次投入。「ジューッ」という油で揚がる音が広がり、やがて「パチパチ」と軽やかな音に変わって、食べ頃を教えてくれます。周囲に天ぷらの美味しそうな香ばしい匂いが漂います。
カワムツ天ぷらのお味は?
まずは竿頭である森下さんに敬意を表し、最も大きいカワムツを味わってもらいます。
神妙な顔つきで頬張り、「骨が硬いねえ。でも、味は悪くないな」との感想。天ぷらには軽く塩を振りました。
次に筆者、調理をしてくれた横田さんが試します。確かに、10cm前後のカワムツは背骨が硬く、口の中でジャリジャリとあたり、飲み込むにも若干の抵抗をおぼえ、いまいち。
鱗の存在も感じます。骨ごとそっくり食べるなら、弱火でじっくり揚げた後、油の温度を上げて二度揚げしたほうが良さそうです。
小型の天ぷらがオススメ!
5cmほどの小型は、そのようなことは一切なく、美味!サクサクと食感も良く、味にクセが全くないので、後を引きそうなほどでした。
調理の仕方や技術にも左右されそうですが、総括すると「大型の天ぷらは、だめ」「大型を骨ごと食べるなら、天ぷらよりもから揚げ」「天ぷらで食べるなら5センチ未満の小型に限る」という結論に至りました。
ひょんなことから始まったカワムツの大小サイズの食べ比べ。「食べてみよう」と思う人は、その河川が流れる地方自治体の環境担当の部署に水質等を確認の上、行ったほうが良いでしょう。
また、今回は調理用器具として直火を避けるため、ストーブを使用しました。環境、防災上、直火は絶対しないよう注意してください。
<小島満也/TSURINEWS・WEBライター>
埼玉県 成木川