ライトゲームのワームの基本カラーといえば、クリア。スレている魚や、ナチュラルな食わせの釣りでは確実に持っておきたい色だ。特にデイゲームでは魚に見切られにくい強さがある。一方で夜の釣りでは、アピール不足のようにも思われる。では、実際にクリアだけを使ってみて、釣果はかわるのか?アジングで検証してみた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
クリアは夜に釣果が落ちる?
夜にドクリアカラー(※色が入っていない透明に近いカラー)を使っていると、心もとない気分になるのは確かだ。そうでなくても釣れないときには魚にワームを見つけてもらえていないのではないか、と不安がわく。ドクリアは、もう怖くて怖くて使えないシチュエーションもある。低活性でも高活性でも、「別に優先して使う色ではないな」と思ったりする。
しかし思いかえしてみれば、本当にクリアのワームで釣果が落ちたことがあるだろうか?アジ、メバル……クリアを使うのは、そもそも釣れていない状況で、ナチュラルな食わせに振り切ったときかもしれない。だから印象が悪い気がするのだ。
今回はそんなドクリアのワームで通してみてどれほど違いがあるか、試してみることにした。ワームは3つ準備した。
反応は鈍いか……
検証は大阪湾奥にて、1月4日。急激に水温が下落する前のタイミングで、アジは先日もかなり釣れた。群れは抜けていないだろう。
19時エントリー。このところ時合いのアジの回遊はないので、日没後2時間経過してからスタートした。ぱらぱらと雨が降ってきた。例によって軽量ジグ単でふわふわと釣っていると、足元の回収前でセイゴがヒットした。
幸先いい、と思ったものの……ここから釣れ渋ってしまう。ちょこちょこアタるが乗らない状況が続く。おそらくワームを単に小さくすればいいのだが、この日持ってきたドクリアのワームはすべて1.6inch以上。アベレージサイズの豆アジが、微妙に食いきれない。ジグヘッドをいろいろと調整してみるが、手前バラシも連発した。こちらの準備不足だ。
アジ、メバルも登場
ここで釣り方をかえてみた。フォールやふわ釣りで食いきらないので、シンプルにリトリーブする。ドラグを緩めて足元のアタリをうまく吸収し、なんとか豆アジをあげた。
そのパターンがハマって、ここからヒット、ヒット。すべて巻きで反応。じょじょに魚の活性が上がってきた感じもする。キワを引くとメバルもちゃんと釣れた。カサゴもきた。なんだ、カタにはまればイイじゃないか。ドクリアだからどうという問題ではなさそうだ。ただ色付きのモノを使いたい気持ちは抑えきれず、ここで別ワーム投入で、検証終了。
そのあとも釣れ続けたが、正直、どうかな……カラーチェンジで目先をかえてやった方が数は伸びやすかったと思う。最終20尾ほどで納竿した。
結論:釣り人の不安感が強い
今回は沿岸の建物の灯りが効いている場所でやったので、海面に自然に明暗が形成されていて、釣りやすかった。ゆえにドクリアカラーで通す勇気も後押しされたのだが、本当に真っ暗なポイントで打つとなると、そうはいかない。釣れる釣れないもそうだが、真っ暗環境にドクリアワームで釣るという、真逆のような状態だと、ステルス感が強すぎておそらく釣り人の精神が持たない。ワームのわずかなカラーが見えるか見えないかは、人間の側で、精神的に重要な問題なのだ。
魚にとってドクリアが果たして「見える、見えない論」は、この一回の釣りで私ごときが言い切ることができないものだ。ただ釣りは、特に魚に生エサを与えてやるわけでもないルアーフィッシングはあくまで釣り人主導であり、エゴである。エゴならエゴらしく、自分で使いやすいカラーを用いればいいと思う。
<井上海生/TSURINEWSライター>
大阪湾奥